山陰まんなか観光局

ココビトの綴り
山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い
San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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一日の終わりに日沈みの聖地を訪れる「日御碕神社」

柔らかい光が心地よく、一日の終わりに心休まる夕暮れ時ですが、島根県の出雲地方は「日が沈む聖地」と呼ばれており、そんな出雲で過ごす夕刻のひと時は格別です。
今回は、古くから夕暮れ時にゆかりがあり、『日の本の夜を守る神社』と呼ばれ、この地方には珍しい朱色の社殿が鮮やかな日御碕神社をご紹介いたします。

夕方がお勧めの時間帯

いつ行ってもその鮮やかな楼門や社殿はとても綺麗ですが、参拝するのにお勧めの時間帯は夕方です。
日御碕神社は日本海の激しい荒波に打たれる島根半島の西端に位置し、日御碕漁港のすぐそばにあります。視界が西側に開け、日本海に沈みゆく夕陽を観ることが出来る出雲において、日御碕神社もまた夕陽のビュースポットとなっております。

夕方の時間帯に訪れると光がとても柔らかく、景色全体が薄く赤みを帯びます。そして、周囲を囲む松林の深緑色との対比が鮮やかな朱色の社殿は、さらに印象的になり、とても綺麗で神気に満ちた世界に入り込むことが出来ます。

大鳥居、寛永16年(1639年)に徳川家光が寄進、旧参道より昭和10年(1935年)に移設。
楼門、鳥居をくぐるとまずはこちらの建物が見えてくる。
手水舎、水をすくい、左手、右手の順で清め、左手に水を注ぎ、口を清める、最後に両手で持ち、縦にして残りの水で柄を洗い流す。
狛犬、メカゴジラみたい。

下の宮「日沈宮(ひしずみのみや)」

日御碕神社には“下の宮”と“上の宮”の二社がありますが、下の宮は「日沈宮」と呼ばれ“天照大御神(アマテラスオオミカミ)”が祀られています。
日本人の大祖神であるこの神様をお祀りする神社はたくさんありますが、ここではもっと深い意味を持って祀られているようで、同じく天照大御神を祀り『日の本の昼を守る』伊勢神宮と対を成し、日御碕神社は『日の本の夜を守る』とされています。

楼門を抜けると正面に日沈宮が見えてくる。
賽銭箱、神紋の三ツ柏は素戔嗚尊が隠ヶ丘に眠ることを決めた儀式に由来する。
か、かわいい。
夕刻には日沈宮に夕陽が重なりとても幻想的。

上の宮「神の宮(かみのみや)」

日沈宮に向かって右手の階段の先に見えるのは上の宮で、「神の宮」とも呼ばれており、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が祀られています。素戔鳴尊は、元々は自身で行なった柏の葉の占いによって定めた地である、神社背後の「隠ヶ丘」にて祀られていましたが、現在はこちらに場所を移しています。

神の宮、素戔嗚尊は海を司る神様。
装飾が見事な朱色の社殿、下に置いてあるバケツも色合わせバッチリでぬかりがない。
神の宮の奥には稲荷神社がある。

法則に反した千木(ちぎ)の形状

大社造りの社殿の屋根には、千木と呼ばれるアルファベットの『X』のような形の装飾がありますが、その社殿に祀られている神様の性別によって形状が異なっています。男性神の場合は外削ぎ(先端が地面に対して垂直)、女性神の場合は内削ぎ(先端が地面対して平行)というのが一般的ですが、日御碕神社においては、男性神である素戔嗚尊を祀る神の宮が内削ぎ、女性神の天照大御神を祀る日沈宮が外削ぎとなっており、通説とは逆の形状です。
理由は定かではありませんが、見どころの一つとなっていますので注目してみてください。

日沈宮の千木、本来であれば地面に対して平行にカットしてあるはずなのだが…。
神の宮の千木、こちらも逆のパターン。

蟇股(かえるまた)の彫刻

遠目に見ても朱色が鮮やかに映える日御碕神社ですが、近づいてみると更なる魅力を発見できます。
特に社殿や楼門の蟇股と呼ばれる部分にあしらわれた動物や植物などの彫刻は、一つひとつが異なったデザインとなっており、色彩豊かで立体的な造形がとても美しい装飾です。
楼門や神の宮に日沈宮といたるところに描かれているので、ぜひ細部まで注目して見ていただきたい。

それぞれの建物に蟇股の彫刻が施されている。
虎の彫刻、見事な造形。
鳥の彫刻、塗り分けも綺麗。

日御碕神社の神域、経島(ふみしま)

境内の外に出て港の方に行くと、日御碕灯台の看板があります。そして、灯台の方向に少し進むと、荒波打ち付ける日本海に鎮座する「経島」が見えてきます。
経島は日沈宮が元来あった場所で、日御碕神社の神域とされており、一般の立ち入りは禁止となっています。夕陽が見える日には小さな御社のバックに太陽が沈むとても神秘的な光景を見ることが出来ます。
また、経島の周囲の海底では、遺跡が見つかったとのことですので、気になる方は調べてみてください。

日御碕灯台にも歩いて行くことが出来ます。
日御碕漁港、日が沈むのをぼーっと眺めていたい。
経島、元々の日沈宮は天暦2年(948年)に現在の日御碕神社へ移されたとのことです。

日いずる国の日が沈む聖地

いかがでしたでしょうか? 今回は島根県出雲市の日御碕神社をご紹介いたしました。

たくさんの神社がある出雲地方ですが、このような朱色の社殿を持つ神社はとても珍しいです。色鮮やかな社殿と煌びやかな装飾は陽の光を受けると更に輝きを増します。
まさに日が沈む聖地にふさわしい神社となっておりますので、ぜひ行ってみてください。

回廊、間違いなく映える写真スポット。
日御碕神社
島根県出雲市大社町日御碕455
いつでも参拝可能(御守所は8:30〜16:50)
0853−54−5261
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1443239781602/index.html
20台程度
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
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y.takayuki0607
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伝統的な文化、歴史的建造物、星空や夜景撮影が好きで夜を中心に活動しております。 山陰の魅力を写真とキャプションで発信していこうと思います。 よろしくお願いいたします。
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