朝日山は、島根半島のほぼ中央部にある標高344mの山。
地元では「アサエサン」とも呼び「出雲国風土記」に登場する神名火山のひとつといわれ、古くから信仰を集め、頂上には、出雲国三十三カ所観音霊場二十九番札所、朝日寺もあります。

登山口は、松江市東長江町の朝日寺駐車場から登る道と松江市鹿島町古浦から登る道と2ヶ所があります。長江町の朝日寺駐車場からはゆっくり歩いて約30分、鹿島町古浦側から登ると1時間程度で登れます。

今回は松江市長江町の朝日寺駐車場から登りました。
駐車場の右側の参道から、ゆっくりと身体に負担をかけないように登り始めます。

急勾配の参道には所々お地蔵さんがいらっしゃいます。お地蔵さんの前で休憩がてら手を合わせ、朝日山に参拝できるご縁に感謝します。

こちらは参道中ほどの接待地蔵様。お地蔵様の前にはベンチがあるので、腰掛けて休憩ができますよ。ありがたい(^^)

休憩しながら上を見上げると、朝の澄んだ空気にモミジが浮かびあがり癒されます。

しばらく淡々と登ると朝日寺が見えてきます。

朝日寺まで登ると、接待地蔵さまの辺りとは違い色鮮やかな光景が(^^)
登ってきた甲斐がありました。

しばらく周辺を散策して境内に戻ってくると人影が！
お寺の方かなと思っているとなんと地元の方で、参拝客が気持ちいいように参拝の人が来る前に境内の落ち葉を綺麗に掃きに来ておられました。
古浦の登り口からでも1時間はかかるのに、参拝者の気持ちを考え行動されているのに感心し頭が下がりました。

そして！ふと本堂の前を見ると！
なんと。イチョウの落ち葉でハートが！掃きながらハートを作る技にビックリ！

粋なおもてなしにまた感心してると「これからどこに？」と聞かれたので「西の峰に行こうと思っていますが道がいまいちわからないです」と言うと、「それなら案内するわ！」と連れて行ってくださいました。
その後、この男性に何から何までお世話になりました（笑）

西の峰へ向かうと「トトロのこみち」の案内板が！
その先を見ると木のトンネルがあるじゃないですか！　朝日山最高！

西の峰からの眺め
見晴らしはよくこの日は大山も見えていました。ここで、案内していただいた男性と朝日山に週4回は登る常連の女性二人に珈琲を淹れてもらい、柿やクッキーをご馳走になりました。

ここでも見ず知らずの私に温かい心遣いとおもてなしをしていただきました(^^)

そしてこちらは東の峰からの眺め！
日の出時分には雲があり、御来光とはいきませんでしたが素敵な光景に満足。
初日の出をここから撮ると良いかなぁと思います。

東の峰からは恵曇漁港も見えます。

望遠レンズがあれば一畑電車も撮ることができます。実は耳を澄ますと朝日山からでもガッタコン♫ガッタコン♫と電車の走る音が聴こえました。

朝日山、とても素敵なところです^_^

ひと通り散策して境内に戻ると休憩所が開いていましたので覗いてみると、なんと！ここにも「おもてなし」が！

休憩所ではポットにお湯が沸き、朝日山に訪れた人がどなたでも「ほっ」とできるようにお茶やお菓子が無料でいただけるようになっています。
そしてお腹が空いた人には、カップ麺やカレーなどがなんと100円でいただけるようになってるではないですか！

聞くところによると朝日寺の住職様、地元の方々、朝日山愛好家の皆さんの善意でされている事だそうです。感動しました。

　

日本のおもてなしとは自然さ、何気なさ、さり気なさといったことを重視すると言いますが、それには、温かい人の心が通い合うさり気ない気配り、気遣い、心遣いがあって成り立つものだと思っています。朝日山の山頂でお会いしいた方々に親切におもてなしをしていただき、身に染みて理解できました。今度は私も朝日山で出会った方々のように、見ず知らずの方にでも気持ちよくおもてなしをできたらと思います。

そして、休憩所の「なんでも帳」を開いてみると、おもてなしを受けたほっこりとするメッセージがたくさん書いてありました。

皆さんも是非、朝日山に登ってわかる「親切な心」「おもてなしの心」を感じてみてください。