
荒ぶる武勇の神、ここに鎮まる「須佐神社」
神話の舞台として有名な出雲ですが、八百万(やおよろず=たくさんの)の神が集うとされる出雲大社から、静かな山あいに少しだけ足を延ばせば、もうひとつの出雲の聖地に辿り着きます。
かつて出雲の地に降り立ち、荒ぶる神とも呼ばれた須佐能袁命(すさのおのみこと)は、八岐大蛇(やまたのおろち)に娘たちが次々と食べられているという話を聞き、これを見事に退治。生贄として大蛇に食べられかけていた櫛名田比売(くしなだひめ)=稲田比売命(いなだひめのみこと)を救うことができました。
出雲神話において、このエピソードはとても有名ですよね。
今回は須佐能袁命を主祭神とする神社、島根県出雲市の「須佐神社」と、参拝と一緒に食事やドリンクが楽しめる「すさ音cafe(すさねカフェ)」をご紹介いたします。
出雲の山あいに、ひっそりと佇む神社
八岐大蛇を退治した勇猛な神である須佐能袁命は、自らが眠る地として現在の出雲市佐田町を選びました。
須佐能袁命を司る神社は全国に数多くありますが、その御霊を祀っているのは唯一この須佐神社だけとなっております。
穏やかな出雲の山あいに鎮座しており、境内にて聞こえてくるのは風に揺れる木々の音と、自分の足音、息遣いくらいでしょうか?
とても荒ぶる神が眠っているとは思えない落ち着いた雰囲気の中、神妙な気持ちで参拝することができます。

まずは通常通りに参拝
須佐神社は出雲大社のように大規模ではありませんが、見どころのある境内です。
まずは鳥居をくぐり、右手にある手水舎へ進み、手と口を清めます。歩を進め、隋神門を通ると右手に東末社、左手に西末社、正面に拝殿、その奥に本殿があります。
拝殿の前に立つと賽銭箱があり、そこには神紋が刻まれていました。神紋には、亀甲の中にそれぞれ三つの柏の葉と松葉が描かれております。
これは「蔓柏(つるかしわ)」と呼ばれ、須佐能袁命の妻であり、須佐神社に共に祀られている稲田比売命の出産にまつわる逸話に由来するのだそうです。





本殿は古代神社建築である大社造(たいしゃづくり)
さて、拝殿にて参拝を済ませたら、すぐ後ろに本殿があるので見てみましょう。
須佐神社の本殿は出雲地方に多く存在する「大社造」の構造になっています。
大社造は古代の住居と同じような建築構造で、床は高く作られ、屋根は切妻屋根、室内には9本の柱があります。現在の本殿は1554(天文23)年に建てられた物で、大社造特有のダイナミックかつ流麗な曲線を併せ持った大きな屋根が大変美しく、島根県の指定文化財となっています。
本殿は現在約30年に一度の遷宮を迎えており、修繕が行われる予定です。
なお、遷宮の間、ご神体は須佐神社の末社である天照社に一時的に移されます。


樹齢1,300年を超える大杉
本殿の後ろには「大杉さん」として親しまれている大きな杉の木が立っています。
幹の周囲は約7m、全高21mほどの樹木で須佐神社のシンボルの一つとなっております。
周囲を柵で囲まれていますが、ぜひともその生命力にあやかってみましょう。




多くの神様を祀る
須佐神社には、須佐能袁命の他にも様々な神様が祀られています。
道路を挟んで向かいにある天照社では天照大神(あまてらすおおみかみ)が、本殿奥の三穂社では三穂津比売命 (みほつひめのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)が祀られており、その他にも東西末社に合計で8の神が祀られております。
日本の神様は「八百万の神」というだけあって沢山の神様がいらっしゃいますが、難しい名前ばかりですのでもう誰が誰だか分かりませんよね。
しかし、それぞれの神様に面白い逸話がありますので、出雲神話に興味がある方はぜひ調べてみてください。






須佐神社の七不思議
さて、続いては少しミステリアスな見どころの紹介です。
須佐神社にはそれぞれに逸話や伝説が語られる、7つの不思議スポットが存在します。
特に秘密にされているということはなく、各スポットに看板付きで注釈があるのですが、その中から「塩井(しおのい)」をご紹介いたします。
この井戸は大社町の稲佐の浜に続いており、須佐能袁命がこの地を清める際に井戸の水を使用したとされています。塩の干満によって湧き出す量が変化し、微かな塩味があるとのこと。
訪れた時間帯が良かったのか、一杯どう?とばかりに湧き出していたので、じゃあ少しだけと口に含んでみると確かに少し塩味が有り、本当に海まで通じているのかもと思いました。
しかしながらどのように日本海と繋がっているんでしょうか?気になってこの日以来一睡もできていません。
須佐神社には、この他にも6つの不思議スポットがありますので、ぜひ見つけてみてください。

開いてたらラッキー?「すさ音cafe」
さて、参拝が済んだらアットホームなカフェで休憩してみてはいかがでしょうか?
須佐神社の駐車場から道路を挟んで向かいにある「すさ音cafe(すさねカフェ)」は、定食やカレーライス、ぜんざい、各種ドリンクが楽しめる古民家カフェで、営業日は基本的に日曜日のみ!それ以外の日はもしかしたら臨時で営業する!かもしれない、開いていたらラッキーなカフェです。
音楽好きのとっても仲の良さそうなご夫婦が経営しており、なんと二人の生演奏と歌を聴かせてくれました。
昼下がりのポカポカ陽気のなかで、窓から須佐神社の境内を眺めながら、素敵なコーヒータイムを過ごし、なんだか良い1日だったなと満足感に浸りながら帰路につきました。





見どころたくさんのパワースポット
いかがでしたでしょうか?今回は島根県出雲市の須佐神社をご紹介いたしました。
数ある出雲地方の神社の中でも有数のパワースポットとなっており、須佐能袁命の御霊をお祀りしているのはここだけとなっております。
境内には、県指定文化財である本殿、とても立派な大杉、ちょっとミステリアスな七不思議といった見どころが沢山ありますので、ぜひ行ってみてください。
もちろん、行くのであれば「すさ音カフェ」が開いている日曜日をお勧めいたします。
- 住所
- 住所
- 島根県出雲市佐田町須佐730
- 電話番号
- 電話番号
- 0853-84-0605
- 公式サイト
- 公式サイト
- https://www.susa-jinja.jp/
- 駐車場
- 駐車場
- あり(50台程度)
- 住所
- 住所
- 島根県出雲市佐田町須佐726-4
- 営業時間
- 営業時間
- 9:00〜16:00
- 定休日
- 定休日
- 月〜土曜日
- 電話番号
- 電話番号
- 0853-84-0707
- 公式サイト
- 公式サイト
- https://www.instagram.com/susanecafe/