皆さんは普段どんな音楽を聴いていますか？

Ｊ-POPやＫ-POP、ダンス、ラテン、クラシックなど、さまざまな音楽ジャンルがありますが、細かく分類すると世界中に約1000種類以上もあるそうですよ、驚きです。

今回私がご紹介するのは、昼間はJazzカフェ、夜は音楽イベントや音楽教室と、Jazzはもちろん音楽好きの方にはたまらないお店です。

コーヒーを飲みながらJazzに耳を傾け、至福のひと時を過ごしませんか？

訪れたのは米子市にある「Zoojaクラブ」。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、以前は「Zooja(ズージャ)」というJazzバー＆カフェだった場所です。

数年前、Zoojaを経営していた方が諸事情でお店を閉店されたため、現在のオーナーが引き継ぎ、2022年11月、「Zoojaクラブ」という名前でオープンしました。

テラス席では、松江市出身の似顔絵作家、戎谷悠作（えびすたにゆうさく）さんの似顔絵展が開催されたこともあるそうですよ。

奥に進むと入り口が見えてきました。

今日は一人で訪れたのでちょっとドキドキします・・・！

楽器に囲まれた店内

店内の様子は、ドアを開けてすぐ手前にカウンターテーブルと、写真には写っていませんが背面にはテーブル席もあります。奥には個室もありました。

この日は、若い方からご年配の方までカフェを楽しんでいらっしゃいましたよ。

大型スピーカーからJazzの心地良いサウンドが聴こえます。

レコードプレイヤーや年代物のオープンリールデッキまであるのはさすがJazzカフェです。

壁にはキーボード奏者・作曲家の野村彰浩さんをはじめ、淀江出身のJazzドラマー宇山満隆さん、米子市出身のドラマー横田誓哉さん、なでしこジャパン（サッカー日本女子代表）の元主将・大部由美さんなど多くのサイン色紙が飾られています。

通路の一角に樽型の楽器がありました。これはコンガとよばれるキューバ系の打楽器だそう。

実は、他にも店内のいたるところに楽器があるんですよ。

ピアノにドラム、エレクトリック・アコースティックギター、奥にあるのはコントラバス？

演奏に必要なあらゆる楽器が揃っています。

こちらは二階の様子です。階段を上がるとカウンター席、その奥にはアジアンテイストな雰囲気の素敵なお部屋がありました。少し前まで他のお客様が利用されていたのですが、マスターが片付けてくださり「どうぞ撮ってね。」と、写真を撮らせてくださいました。マスターのご厚意に感謝します！

ゆっくりカフェを楽しみたいときや、商談にも良さそう。空いていれば一人でもここを利用できるそうです♪

Jazzだけでなくドリンクやスイーツも

そして気になるのはメニュー。おもなドリンクメニューとスイーツはこちらです。
ほかにもパスタやカレー、ピザなどの軽食やアルコール類もありました。

どれにしようか迷ったのでマスターに尋ねると、おススメはコーヒーとチャイ、フードメニューはボロネーゼだそう。
ちょうどお腹も空いていたので、チャイとボロネーゼをお願いしました。

こちらが「ボロネーゼ」。

味わい深い濃厚なソースとアルデンテ食感のパスタが良く絡んでとても美味しい！

ボリュームもあるので食べ応えもあります。ソースは牛ひき肉や玉ねぎ、香味野菜を赤ワインなどで煮込んだオーナーの手作りだそう。

チャイは、ひと口飲むたびにシナモンの甘くスパイシーな香りが鼻を抜けていき、どこかホッとする味わいです。

私が熱心に写真を撮っていると、隣にいらしたお客様が「良かったらこれも撮る？」と、飲んでおられたカフェラテを撮らせてくださいました！

ロングサイズのカップで、飲みごたえありそうですね。

こちらは別の日にいただいたコーヒーとケーキ。

サイフォンで淹れたコーヒーは、しっかりとしたコクがあり、ビターな味わいです。

ところでお部屋の雰囲気に気付いてくださいましたか？

はい！この日は空いていたので二階席を利用しました♪

まるで隠れ家に来ているよう。ここでずっと滞在していたいほど、素敵な空間です。

ケーキは「リンゴキャラメルケーキ」。

バニラムースとキャラメルムースを交互に重ね、一番上にはリンゴの果肉が敷き詰められた５層仕立て。コーヒーに合うから、とお客様に人気のスイーツだそう。

オーナーとマスターにお話しをお聞きしました

こちらがZoojaクラブオーナーの有馬季代子さん、そしてマスターの澤山訓明さんです。

有馬さんは昔、警察の職員をしていたこともあるという異色の経歴をお持ちなんですよ。

現在はZoojaクラブを運営する傍ら、演奏家の育成にも携わり、またご自身もシンガー（歌い手）としてマルチに音楽活動を行っています。

有馬さんはJazzに限らず、あらゆるジャンルの歌を歌ったり、パーカッションをご自身で演奏しながら歌うこともあるそう。

毎月第一日曜日には、「レストラン　バロンジャヤ」で、澤山さんを含めたプロのメンバーと共に生演奏も行っています。

有馬さんが音楽の道を選んだのは、東京でプロベーシストとして活躍していたお父様の影響があったそうです。

子供の頃は家にテープレコーダーや初代のステレオがあり、当たり前のように毎日Jazzが流れていたのだとか。東京から地元米子に拠点を移し、音楽活動を続けていたお父さまでしたが、娘である有馬さんには「卒業したら、安定した職業に就きなさい」と望んでいたそうです。
お父さまの意向通り公務員を目指し、警察の職員になった有馬さんでしたが、数年後には仕事を辞めて、年月を重ねた後に音楽の世界へ。

「やっぱり私も父の血を引き継いでいたんですよね。」有馬さんは話します。

マスターの澤山さんとの出会いは、有馬さんが学生時代に入っていた吹奏楽部がきっかけでした。

当時、澤山さんが吹奏楽の指導に来られていて、パーカッションを教えてくれたのも澤山さんなのだそう。何度も音楽イベントで偶然出会うことがあり、共に音楽の道に進むようになりました。

そんなある日、Zoojaを経営していた方が、ご自身の年齢など諸事情でお店を閉めることを知った有馬さん。

「このままお店がなくなってしまうのはもったいない。」と、有馬さんがオーナー、澤山さんがマスターとしてお店を引き継ぐことを決めました。

「山陰には才能ある演奏者さんがたくさんいらっしゃいます。その方たちが演奏を楽しめる音楽拠点を作りたいと思い、一念発起してZoojaクラブを立ち上げました。」

そんな有馬さんの決意に、どこか使命感に近いものを私は感じました。

マスターの澤山さんはプロのドラマーです。

中学の吹奏楽部でドラムに出会い、音楽の世界へ。

そんな澤山さんがJazzに魅了されたのは、高校生の時に聴いた生演奏がきっかけでした。
魂が揺さぶられるような生の演奏を目の当たりにし、衝撃を受けた澤山さんは、そこからすっかりJazzの魅力にのめり込んでいったそうです。

しかし当時は、「演奏者として生計を立てることは考えていなかった。」と澤山さんは言います。
高校卒業後はサラリーマンとして働く一方で、休日には吹奏楽の指導などを続けていました。それでもプロの道への情熱は冷めず、「やるなら今しかない」と、９年間のサラリーマン生活に終止符を打ち、音楽の道一筋に進むことを決めました。

それからは様々なアーティストとの共演やバックサポートを務め、現在も精力的に演奏活動を継続しています。

お店で人気のサイフォン式コーヒーは澤山さんが担当しています。

コーヒー好きが高じて、18歳の頃にはサイフォン抽出に必要な道具を自宅に揃えていたほどだそう。

慣れた手つきでセットをする様子は、さすが！長年のキャリアを感じます。

「ジャズというと何か小難しいイメージかもしれませんが、全然そんなことはないんですよ。」

有馬さんが一枚の紙を見せてくれました。
これはZoojaクラブで定期的に開催されている「セッションデー」で使われるリクエストカード。

このイベントが音楽ファンから熱烈な支持を受けているのは、生演奏を目の前で聴けるだけでなく、自分が聴きたい曲を紙に書いてリクエストができるのも理由かもしれません。
プロ・アマ問わず参加し、演奏できるセッションは、「演奏者さんはもちろん、観るお客様も楽しめるような場所です。」と、有馬さんは自信をのぞかせます。

Zoojaクラブではカフェ営業のほか、夕方からは個人レッスンを主とした音楽教室を行っています。

特徴的なのは、講師が全員プロということ！

演奏に必要な技術を教えるだけでなく、プロの培った経験をもとに、レベルアップのための気づく力や、その人の潜在能力を引き出してあげたりすることで、技術の伝承をしていきたいと有馬さんは考えています。

これまで生徒を持たなかったのに、有馬さんの熱意に応え「ここでなら」と講師を引き受けてくださったプロの方もいらっしゃるそう。

ジャンルはヴォーカル、ヴァイオリン、ドラム、サックス、ベースなど、楽器の演奏に挑戦したい初心者からプロを目指しておられる方まで幅広く対応しているそうです。
体験レッスンもあるので、ご興味のある方はお気軽にZoojaクラブにお問い合わせください。

2025年10月6日には、音楽教室の講師陣を中心に、Zoojaクラブのイベントライブをコンベンションセンターにて開催予定なのだとか。良かったらこちらもチェックしてみて下さいね。