山陰まんなか観光局

ココビトの綴り
山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い
San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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一本研いで幸せ三つ「包丁研ぎのお店 タルイハモノ.」

皆さんはおうちで使っている包丁のお手入れはしていますか?
様々な要因に由来する生活スタイルの変化により、家庭で料理を作る頻度や、調理にかける時間は短くなり、包丁を使う事自体も減少傾向にあります。
それに伴って、少し前まではよく見かけていたスーパーの駐車場等に来る包丁研ぎ屋さんも、最近では減ってきているように感じます。
そんな中ですが、今回は鳥取県米子市に店舗を構える「包丁研ぎのお店 タルイハモノ.」さんを訪ねてみましたので、ご紹介いたします。

調理師歴15年の現場経験者が経営

包丁研ぎの職業としては、特に資格も必要無く誰でも始められるとあって、参入障壁が低いぶんお店ごとに仕事の質にバラツキが生じてしまうそうです。
家庭料理での使用がメインである私たちにとっては、一体何が正しくて、反対に何が間違っているのかわからない場合が多いので、出来れば信頼出来るお店にお任せしたいですよね。
タルイハモノ.を経営する樽井さんは、調理師として15年の現場経験の持ち主で、正しい包丁の扱い方や知識に基づいた“研ぎ”を施してくれますので、安心してお任せすることが出来ます。

店舗全景、ロゴマークはカタバミをモチーフにしたもの。
店舗内、カウンターは手作りとのこと。

まずは診断から

さっそく持ち込んだ我が家の包丁を見てもらいました。
持ち込まれる包丁は、包丁の種類や使い込んだ年月、使い方によって状態は様々です。また、使用者自らの手で研がれるも、均一に研げず、刃の形状が変化してしまっている物もあります。
それらを調整し、食材を心地よく切れるようにメンテナンスをするのですが、ここで活きるのが調理師としての経験と知識です。
例えば、食材を切る時に「この腕の角度の時や、ヒジの高さの時には、まな板に刃がきちんと接していなければならない」といったように“料理人の目線”で診断していきます。
理想的な使い心地への深い理解とそれを実現する研ぎの技術により、ベストなメンテナンスをしてもらえるので、預けるほうとしても安心できますよね。

持ち込んだ我が家の包丁、薄汚れている。
診断中。刃が欠け、刃先が変形している。

手軽な「プチメンテ」から「しっかりメンテ」まで

診断をしてもらったら、次は実際にどういったメンテナンスを施すのか決めていきますが、サービスの種類としては大きく分けて2つあります。

まずは「プチメンテナンス」。
こちらは刃は尖っているけど切れ味が落ちてしまったときに、短時間でよく切れるようにしてくれるサービスで、5分程度で作業が完了し、その日のうちに持って帰れるお手軽コースです。ちょっと試しに研いでもらおうかな? と思っている方にもお勧めです。

次に「しっかりメンテナンス」。
こちらは汚れやサビの掃除、刃こぼれの直し、変形してしまった刃の形の修正等をしてくれるサービスで、場合によっては包丁を何日か預けてしっかりと手入れをします。また、預けている間は別の包丁を無料で借りることも出来るので安心です。

サービスメニュー、プチメンテナンスとしっかりメンテナンスがある。
しっかりメンテナンスのメニュー、包丁の種類によって料金は異なる。

作業に入る

診断の結果、若干の刃のカケが見られるものの、切れ味への影響は少ないとのことで、プチメンテナンスによって切れ味を回復させ、同時に刃先の変形を整えてもらうことになりました。
まずは電動の研磨機で刃先を尖らせ、続いて砥石を使って手作業により研ぎ上げていきます。砥石に当てる刃の角度と、指で刃を押さえる時の力加減に気をつけながら往復させ、丁寧に研ぎを入れていきます。

刃先の整形は電動の研磨機で行う。
研ぎの様子、力加減が大事。
研ぎ終わったらバリ取り。
刃から柄(え)までお掃除。

ギラリとした輝きを取り戻した刃

研ぎと一緒に刃と柄の掃除をしてもらい、ピカピカに仕上がりました。
実は持ち込まれる包丁の多くは柄の部分が汚れているそうで、隅々まで綺麗に磨くことによって仕上がり時の見栄えが格段に良くなります。

綺麗に整った刃先、自然な尖り形状が復活。
研ぎ澄まされた刃、う、美しい。

様々な包丁、その他の刃物にも対応

持ち込まれる包丁は一般家庭で使う物から、飲食店で使われるプロの道具まで様々で、その他には剪定鋏やアウトドアで使うナイフ等にも対応してくれます。中には大型の斧が持ち込まれたこともあったとか。
ただし、美容師さんが使うハサミや彫刻刀等、専門性の極めて高いものに関しては取り扱い出来ない場合もあるので、まずは相談してみてください。

メンテナンス中の包丁、丁寧に扱われている。

一本の包丁をきっかけにもっと充実した生活を

タルイハモノ.ではコーヒー豆と関連グッズも販売されています。
なぜ包丁研ぎのお店にコーヒー豆?と思いますよね。話を聞くと、自身のコーヒー好きな一面もあると同時に、メンテナンスされたよく切れる包丁によって料理が快適になり、美味しい食事ができ、そしたら今度は美味しいコーヒーが飲みたくなるというように、一つのきっかけによって暮らしの満足度向上が連鎖していく様を思い描いているとのこと。
並べられているのは樽井さんがセレクトした良い焙煎をするコーヒー屋さんの豆で、とてもお勧めだそうです。

コーヒーグッズ、気持ちよく料理をし、美味しくいただき、コーヒーを愉しむ。
このサイズのネルドリップは少々レアらしい。

親切な包丁研ぎ屋さん

いかがでしたでしょうか? 今回は「包丁研ぎのお店 タルイハモノ.」さんをご紹介いたしました。
普段から使い続けている包丁は、少しずつ切れ味が鈍っていく為、なかなかその変化に気が付きません。
このお店では、持ち込まれた包丁の状態を丁寧に教えてくれると同時に、正しい研ぎ方もアドバイスしてくれます。また、お手軽に購入できるお勧めの包丁の紹介をしていただけたりと話は尽きませんでした。
一本の包丁から暮らし全体を豊かにしてくれるタルイハモノ.さんにぜひ行ってみてください。

包丁研ぎのお店 タルイハモノ.
鳥取県米子市昭和町62-5
13:00~18:00
月・火 日曜は不定休
https://www.instagram.com/tarui_hamono/
あり(1台程度)
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
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y.takayuki0607
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伝統的な文化、歴史的建造物、星空や夜景撮影が好きで夜を中心に活動しております。 山陰の魅力を写真とキャプションで発信していこうと思います。 よろしくお願いいたします。
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