山陰まんなか観光局

ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
izumo_ne_san
2023.03.14

松江城を望む酒蔵「 國暉酒造 」

宍道湖湖畔の蔵で醸される地酒


松江は日本海・宍道湖・中海・山の幸が集まる城下町として栄え、街には今も昔の人々の生活に欠かせなかった水路が残っていて「 水の都 」とも呼ばれています。

人気の堀川遊覧船


山陰に唯一残る天守閣、松江城の南側、宍道湖湖畔にある「 國暉(こっき)酒造 」は、江戸時代には廻船問屋をはじめ幅広い商いを行い、明治7年に酒造業を創業しています。

宍道湖大橋から見える酒蔵の煙突と蔵、船の荷揚げ場のすぐ近くにあるのも水の都らしいですね。

赤レンガの煙突も歴史を感じます。


江戸時代には町屋が軒を連ねる中心街であった東茶町にある酒蔵は、その業績から松江藩からの信頼も厚く松江藩の土蔵を譲り受け、移築改造した貴重な建物。
出雲杜氏伝承の技法を駆使し、昔ながらの甑(こしき)、麹蓋(こうじぶた)麹箱、酒槽などを用いた伝統的な日本酒造りをしています。
また、趣のある主屋・仕込蔵は松江市登録歴史的建造物に登録されています。

格子戸が印象的な町屋造り



店舗部分は、日本酒が並ぶ冷蔵庫を中心にカウンターがあります。
毎年3月中旬には、松江城周辺を巡る「まつえレディースハーフマラソン」に合わせて新酒まつりが開催されていました。当日は各種新酒の飲み比べや酒蔵見学も行われていたので、今後また開催されたら是非お邪魔したいなと思います。

立ち飲みしたい!


店内には昔の酒樽、指樽(さしだる)や通い徳利など歴史を感じる道具などが展示されているので、時代の移り変わりを感じることができます。

かっこいい…

雅な着物の帯をイメージした新シリーズ「 帯ラベル 」

さて、どれだけ日本の古き良き文化を継承しようとしても、世界中でデジタル化が進む中、
酒蔵もひとつの企業として進化していかなければと「 酒造り 」だけでなく、マーケティングにも注力し、2021年に日本の文化の伝承と革新をテーマに新ブランドを開発した 國暉酒造さん。

数百人規模のテイスティングから評価の高かったものを進化させ、日本から世界に向けての販売を考慮し生まれた「帯ラベル」は「赤帯・ベージュ帯・エンジ帯・黒帯・紫帯」の5種類。

どこのお店でもハッと目を引く日本酒ラベル…なんと京都西陣織のラベルなんです。
日本が世界に誇る、古き良き文化の伝承として、伝統工芸品に指定されている「京都西陣織」の織物の技術とコラボレーションして生まれたラベル。
国内だけでなく世界へ向けて、日本の文化を愛してもらえるようにとの想いから生まれたこちらのシリーズ、思わず手に取ってしまいたくなる美しさがありますね。

どのラベルもかっこいい!


どれも素敵で5種類コンプリートしたくなりますが、今回は真ん中のエンジ帯「 國暉 -DARK RED- 」純米大吟醸を購入してみました。

凛とした美しいラベル


フルーティーな香りにのって、柔らかい甘みがありつつも酸味とのバランスもとれています、大吟醸のすっきりとした飲み口。味付けの濃いお料理でもスッと口の中をリセットしてくれそうなお酒です。

繊細なラベルは綺麗に剥がすこともできるので、飾っておくのもよし、コースターなど自分のオリジナルグッズを作るのもよし、デニムの後ろのポケットに縫い付けてもかっこいいなと思いました。

近くで見ても豪華な刺繍


そして裏ラベルには英語表記も!
外国の方に日本酒を説明するのはなかなか難しいので嬉しいですね。

勉強になる!

「日本書紀」に残る日本酒造りの原型「八塩折之酒」

さて、もう一つ 國暉酒造さんで特徴的なお酒といえば、「 八塩折 (やしおり)」です!

スサノオノミコトが出雲の国でヤマタノオロチを退治するときに使ったお酒が「八塩折之酒(やしおりのさけ)」と言われています。

「八」はたくさん、「塩・醞(しおり)」は熟成(アルコール発酵)させたもろみを絞った汁、「折」は繰り返しという意味なんだとか。
大まかにいうと日本酒は米と麹と水で造られますが、八塩折之酒は水ではなく「お酒でお酒を仕込む」という造りになります。お酒でお酒を仕込むお酒でいうと「貴醸酒」というものがありますが、これとはまた別のお酒になります。島根は日本酒発祥の地ともいわれ、日本酒の起源に関わった重要な舞台ということから、この「八塩折之酒」を再現したいと、試行錯誤を繰り返し全国唯一の製法でできたのが、この「八塩折」です。

醸した酒で仕込んでは搾り、仕込んでは搾りを繰り返し、濃度調節を一切せず、何年もかけて仕込みを繰り返した希少なお酒。

「 赤・黒・紫 」とありますが、それぞれ仕込み回数が違います。
以前、一番仕込み回数が多い「紫」を飲んだ時は衝撃でした。濃厚でメロンのような芳醇な甘さと香り…忘れられません。

お酒でお酒を仕込み、少量しか出来上がらない、時間も手間もかかっているので値段はややお高めではありますが、日本酒好きなら是非一度は味わってほしいお酒です。

余談ですが、「八」は末広がりのイメージから縁起がいい数字ともいわれ、漢字の「八」はすべての側面を意味するそうで、古代日本では数が大きいことを示し「八雲」「八千代」「八重垣」と表現されていたりします。
そして國暉酒造さんの住所の番地は「8」、歴史的建造物としての登録番号も「第8号」、そしてこの「八塩折」、なんだか縁起が良いですね♪

今回は「 八塩折 黒 」を購入。

ボトルもおしゃれ♡


香りは熟成酒と似ています。少量口に含んだだけで香りがフワッと広がり、甘みのないカラメルのような感じといえばイメージができるかな?
ロックやソーダ割のようにブランデーやウイスキーのような楽しみ方はもちろん、アイスにかけるのもお勧めと聞いたので早速試してみました♡

贅沢な大人のアイス!!


酒蔵仕込みの甘い「 味醂 」をかけるアイスはよくありますが、甘みが少ない分香りが引き立つので高級感がすごい♡これはクセになりそうです♡

ラムレーズンのような味わい♪


アイスの他に柑橘系のフレーバーのチョコレートなんかとも相性が良さそうなので、試してみたいなと思いました。

城下町をブラブラするのもおすすめ♪

松江城周辺は大人が歩いて移動するにはちょうどいい広さ、 國暉酒造からほど近いカラコロ広場では真っ赤な傘がお出迎え。


鮮やかな傘は下から撮りたくなってしまいます。

そして「耳なし芳一」をはじめとする「怪談」で有名なラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が英語教師として1年3か月滞在したのも松江です。
奥様と出会ったのもここ松江なのは有名です♡

カラコロ広場にある小泉八雲の後ろ姿


また、東茶町の石畳通りには大小二つの幸福のハートが刻まれているので、探してみてください♡

奥に見えるのはカラコロ工房♪

どこにあるかな?


この日はお天気も良かったので、 國暉酒造周辺から松江城までブラブラと散歩してみました。
お城とこのラベル…お似合い♡

日本酒だけは重くても持ち歩ける…


春が近づき、暖かくなると、なんだかウキウキしてしまいますね。
観光はもちろん、お花見にもピッタリの國暉酒造の日本酒はいかがですか?

國暉酒造株式会社
住所
島根県松江市東茶町8
営業時間
10:00~17:00  日曜日10:00~16:00
定休日
不定休
電話番号
0852-25-0123
公式サイト
https://kokki.co.jp
駐車場
なし
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
圏域の観光情報はコチラ
izumo_ne_san
izumo_ne_san
島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪
izumo_ne_san
izumo_ne_san
島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪