ワンちゃんもOK!あなただけのランチでおもてなし「café 結you」
フレンチやイタリアンでコース料理を予約する際、「苦手な食材やアレルギーなどはありますか?」と聞いてくださることがあります。
苦手な食材などをヒアリングした上で、シェフが料理を用意してくれるのはありがたいですよね。
でもそれは“ちょっと贅沢なお料理”をいただく場合がほとんど。
もう少し手頃なお値段で、そんなサービスのあるランチがあれば嬉しいですよね。
例えばカフェのランチとか……。
そんなことを思っていたのですが、とうとう私は見つけてきました。
とっておきのカフェを。
私が訪れたのは松江市灘町に2024年3月にオープンした「café 結you(ゆう)」。
隠岐出身の店主、松葉さんが営む古民家カフェです。
古民家をカフェにリノベーションする際、「愛着のあるカフェを作りたい」と、棚の取り付けや漆喰の塗装など、自分で出来そうなことは積極的にDIY。
昔ながらの趣を残しつつ、心地よい空間に生まれ変わりました。
カフェは靴を脱いで上がるスタイルです。
私のように穴の開いた靴下をうっかり履いて来てしまわないようご注意を。
玄関を開けると、今では珍しいすりガラスの木製引き戸がお出迎え。
造りつけの棚には大きなそろばんが飾られています。
懐かしいなあ、小学校のそろばんの授業で見たことのある、教材用に使われていたそろばんにそっくり。
こんな事を呟いたら、「あなたはいったいおいくつ?」って思われちゃいそうですね。
レトロ好きにはたまらない雰囲気です。
1階はテーブル席とカウンター席。
そしてこちらのお部屋はワンコルーム。
このお部屋では、愛犬と一緒にカフェやランチを楽しめます。
出雲や米子からペットを連れて来店してくださる方もいらっしゃるそうですよ。
写真手前はカフェ結の看板犬兼女将のcocoaちゃん。
そして後ろは、この日ワンコルームをご予約されたお客様の愛犬。
素敵な2ショットを撮らせて頂きました。
こちらは2階へ上がる階段。
下がり壁があるので、背の高い人は上り下りの際、頭をぶつけないようご注意を。
2階はテーブル席と和室があり、和室は赤ちゃん連れのお客様がよく利用されるそう。
ペットカフェでもあり、さらにはベビー同伴もできる畳の部屋があるのは貴重ですね。
こちらがランチメニュー。
〇週替わりのプレートランチ(デザート・飲み物付き) 1,500円
〇バターチキンカレー(スープ付) 1,100円
実はこれ以外に、黒板には書かれていない「もう1つのランチメニュー」があるんです。
それが……
「おもてなしランチ(デザート・飲み物付) 2,500円」!
こちらは事前の予約が必要ですが、なんと特定の食物アレルギーや苦手な食材に対応してくれるランチなんです。
好き嫌い無く、なんでも食べられるのが理想ですが、どうしても苦手なものってありますよね。あとは、体質的な理由で身体が受けつけない食材があるなど……。
それを考慮してもらえるランチが、こんなお手頃な値段で食べられるなんて!
早速このおもてなしランチを前もって予約し、ここを訪れた私です。
食物アレルギーはありませんが、バナナとチョコは苦手なことを伝えました。
実はバナナとチョコって、よくデザートに出されることがあるんですよね。
これを避けてデザートを作ってもらえるのはありがたいです。
そしてこの記事を読まれた皆さんに「ちょっと耳よりな話」。
実はランチに使ってほしい食材もリクエストできるのですよ。 もちろん「食材」と言っても、時期的に入手が難しいものや高価なものなどは対応できないので、ランチのお値段を考慮してリクエストしましょうね。
私は魚介が大好きなので、「食材に魚介を使ってもらえたら♪」と、リクエストしました。
お茶はセルフになっています。
香りが良く、爽やかさが口の中に残るクロモジ茶。
こちらが「おもてなしランチ」。
上から時計回りに、エビとイカのチリソース炒め、ホタテのオイスターソース炒め、サラダ、大学芋、冷奴、カニクリームコロッケ、雑穀ご飯。
1つのお皿にたっぷりのおかず!
まずサラダのドレッシングの美味しさに驚きました。
これは自家製のハニーマスタードドレッシングなんだそう。
サラダはもともと好きですが、ドレッシングが美味しいとさらに箸が進みます。
店主の松葉さんによると、メインのお料理にも合わせやすいように調合して作ったドレッシングなので、野菜だけでなくお肉や果物にかけても合う、万能のドレッシングなんだそう。
ドレッシングの上のトッピングはきなこ大豆。
お客さんに好評のドレッシングは味を変えずにランチで提供していますが、短いスパンでリピートしてくださるお客様には少し味変も必要と思い、トッピングはその都度変えているそうです。
そしてサラダやランチに使われる野菜は、なるべく無農薬で育てた自家製野菜や地元産が使われています。
「ワンプレートのお料理はひとつひとつが独立したおかずではなく、どの順に食べ進めても味の違和感が無く、おかず同士がチームワークを組むように味付けしています。」と松葉さんは言います。
そしてカニクリームコロッケ、大きさ伝わりますか?
これまで食べて来たコロッケの中でダントツの大きさです。
カニの脚を1本づつ丁寧に身をほぐし、クリームに混ぜ合わせて作ったものだそう。
この手間ひまを考えたら、これはじっくりと味わいながら頂かないと!
マグカップにはカレーが入っています。
中には大きなエビ、タコ、イカなど具沢山!
魚介の旨味たっぷりのシーフードカレーです。まさかここにも魚介が使われているとは思いませんでした。
さすが「おもてなしランチ」。
大好きな魚介を存分に堪能できてとっても幸せです♪
ちなみに週替わりのプレートランチはこちら。
メインは九条ネギのクリームハンバーグ。
スープはキノコとモロヘイヤのスープ。
正直、これも食べたい……!
おもてなしランチと週替わりのプレートランチには、食後にデザートと飲み物が付きます。
この日のデザートは抹茶のババロアでした。
きな粉に白玉、あずきのソースがかかって、どこか懐かしさを感じる和風のスイーツ。
もちろん手作りです。
松葉さんにカフェを始めたきっかけをお聞きしました。
生まれも育ちも隠岐の島の松葉さん。
隠岐は民謡の島とも呼ばれ、祭りの時期になると伝統的な唄や踊りで活気に満ち溢れるそう。松葉さんのお家もそれは賑やかで、明け方まで三味線や太鼓の音が響いていたのだとか。
唄や踊りの宴会の席で振舞われる郷土料理も豪華で、この華やかなご馳走は隠岐でも有名なほどでした。地元で採れた新鮮な魚介類を使った祭りのごちそうは、「おもてなしの気持ち」を表しているのだそうです。
松葉さんのおもてなし精神は、そんな暮らしの中でごく自然に身についたのかもしれません。
松葉さんは、息子さんの高校入学をきっかけに松江市に移住。
息子さんの所属する野球部で合宿が始まると、松葉さん自ら献立を考えてご飯を作ったり、ときには郷土蕎麦の隠岐蕎麦を振る舞ったりしていたそうです。「おもてなし」という形でみんなに喜んで貰えるのが嬉しくて、それが次第に「お店を開きたい。」という夢に。
最初はキッチンを間借りして開業することからスタートし、着実にファンを増やしていきました。
松葉さんのおもてなし精神が、こうして夢の実現につながったのだと私は思います。
ランチに食物アレルギーや苦手な食材に配慮した「おもてなしランチ」を考案したのは、
調理師として働いていた時に、アレルギー対応も担当していたことも背景にあるようです。
「昔と比べると最近はアレルギーを持つ人が増えました。
自分の作るランチは、エビや魚などで出汁を取るので、苦手な人のためのランチもある方が良いと考えたんです。」松葉さんはそう話します。
「ここでご飯を食べると元気になる!」と言ってくださるのが、なにより励みになると話す松葉さん。
お客さんが「ただいま〜!」と思わず言いたくなるような、我が家へ帰ってきたような気持ちになる、そんな居心地の良いお店でありたいと思い、「結you」と名付けたそう。
「あなたと結ぶカフェ」という意味です。
「食を通じて、この場所でご縁が広がり、結のご飯が食べたいなと思っていただけると幸せです。」
そう話す松葉さん。
いつでも「お帰りなさい、待っていたよ!」
そんな気持ちで愛情いっぱいの料理を作りながら、今日も皆さんが訪れるのを待っています。
- 住所
- 住所
- 島根県松江市灘町51-1
- 営業時間
- 営業時間
- 【lunch】11:30~14:00 【cafe】14:30~18:00 ※夜は予約があれば対応可能
- 定休日
- 定休日
- 月・木曜ほか ※詳細はInstagram
- 公式サイト
- 公式サイト
- https://www.instagram.com/cafe.you_2024/
- 駐車場
- 駐車場
- なし