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ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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出雲大社神門通りでおすすめの「いづも寒天工房」

生まれ変わり賑やかさを取り戻した出雲大社神門通り

出雲大社へ行くとひと際目を引く、宇迦橋(うがばし)の白く美しい大鳥居から、出雲大社の正門まで続く表詣道「神門通り」は多くの参拝者で賑わい、人気のお店には行列ができるほどです。
この「神門通り」、以前はどんな姿だったのか、覚えている人は40代よりも上の年代の方がほとんどだと思います。

明治45年に開業したJR大社駅から出雲大社へ続く沿道は、戦後から昭和30年代にかけて、旅館や土産屋で賑わいを見せていました。
次第に、自動車を利用した参詣客の増加や門前町での宿泊者減少により、旅館や土産物店の廃業が相次ぎ、平成2年にJR大社線が廃止となると人通りが減ってしまいました。
神門通りの空き店舗率は約4割に達していたといいます。

平成25年になると、60年に一度の出雲大社ご本殿の「平成の大遷宮」という一大行事を契機とした景観の再構成、100年先まで愛される景観を目指し、官民一体となった沿道の町並みの景観作り、にぎわい作りの取り組みを進め、現在の「神門通り」へ生まれ変わりました。

普通の道路との違い、分かりますか?


車が通るスペースもあえて中央線を消し、アスファルトで舗装せず、歩道と同じ天然の御影石が敷かれています。
神門通りから外れると普通のアスファルトなのですぐに分かりますね。

手前のアスファルトより柔らかい印象の御影石の沿道。


余談ですが、この神門通り施行に合わせて行った、実際に使う御影石の裏にメッセージを書き込み沿道にはめ込むというイベントで、その後、縁あり結婚することになった男女が、たまたま隣同士の石にメッセージをはめ込んでいたという素敵な話もあります。

もう一つ神門通りで見てほしいのは、街路樹として植えられている「松の木」です。
海岸沿いや、出雲大社の参道にも松の木の並木があるように、神門通りだけでなく「松の木」もこの地域のシンボルの一つですね。
神門通りの松の木は大正時代に大鳥居と一緒に寄進されたものですが、どの松も幹が大きく削られ、痛々しい傷もついています。何も知らなければ気にも留めない人が多いでしょうが、こちらは太平洋戦争末期、枯渇する石油資源に代わり、松の油で戦闘機を飛ばそうと、全国で年長者や子供まで集められ、松の幹にのこぎりでV字型の切り込みを入れて松ヤニを集めたり、根っこを掘り返して油を集めたりした跡です。

このことはイベントで神門通りを歩いていた時に上司から教えてもらうまで、恥ずかしながら知りませんでした。今では神門通りを歩くたび、今日まで変わらずこの場所にある松の木の生命力の強さと健気さ、この樹を守ってくれている地元の皆さまに感謝の気持ちが芽生えます。
ほとんどの人が気にも留めず通り過ぎてしまいますが、出雲大社へご参拝の際は、神門通りの松の木にも目を向けてみてください。

地元では定番のお茶菓子、津山屋製菓の寒天菓子

そんな「神門通り」の一畑電車出雲大社前駅から出て、右斜め前にある白い建物。
津山屋製菓さんが運営する「いづも寒天工房」さんをご紹介♪

「津山屋製菓」さんは、大正元年(1912年)創業、寒天を使った半生菓子は業界シェアNo.1の寒天菓子の老舗です。最近は海外でも人気のお菓子になっています。
出雲地方は京都や金沢に並ぶ菓子処、松江藩7代藩主、松平不昧公が名茶人であったことから、お茶うけとしての菓子文化も栄え、出雲地方には美味しいお菓子の老舗が多く残っています。

表がテラスになっていて入りやすい♪


オリジナルキャラクターの「てんちゃん」も可愛い♡


小さい頃「たばこしょーや」(出雲弁で休憩しよう、お茶しようよ)と祖父母に声を掛けられ、近所のおばちゃんたちと囲むちゃぶ台にはお茶菓子や佃煮、お漬物も用意されていて、菓子皿の中には「昆布ゼリー」が必ずありました。スーパーで見かける寒天菓子はほとんどが津山屋製菓さんのものなので、きっと菓子皿の中の昆布ゼリーやぶどう味のゼリーも津山屋製菓さんの寒天菓子だったんだろうなと思います。

出雲いちじくや出雲富士の梅酒味もあります♪


懐かしい寒天菓子も今では島根の特色ある素材を寒天と炊き合わせ、ぷるんとした食感の「ふるじゅれ島根のめぐみ」など新しいお菓子も登場し、季節ごとに色んな種類が発売されていて楽しませてくれます。

こちらは本葛入りで寒天菓子よりもぷにぷに食感♡

可愛い寒天スイーツ♪

「いづも寒天工房」さんは2015年の2月にオープンし、私はブログでお店を見つけて同年12月頃から通いだしましたが、全然飽きない…♡
できれば毎週でも通いたい大好きなお店です♪

3月という、色んなご縁が新たに結ばれるこの時期にご紹介したくてウズウズしておりました♡

自社の寒天スイーツが楽しめるカフェスペースもあるお店で、生地に寒天を加えた「 パンどら 」や、島根産うるち米を使ったもちもちのお団子に、無添加醬油を使ったみたらし餡がベストマッチのみたらし団子、旬のフルーツを寒天に閉じ込めた寒天よせなど、おすすめが沢山あります♪
寒天は100%海藻からできており、食物繊維が豊富でノンカロリーなので、カロリーカットも期待できる優れもの…そのうえ寒天工房さんのお菓子は見た目も可愛い♡最高です♡

お団子は注文を受けてから焼いてくれるので、温かいうちに食べ歩きもよし、冷めても柔らかいのでお土産にもおすすめです。
前回お邪魔した時には「テイクアウトで」と言って、みたらし団子を注文しておきながら、あまりに出来立てがほかほかで美味しそうで、我慢できずテラス席で食べてしまいました…。

家族にも必ず買って帰ります♡


季節のフルーツを挟んだパンどらも外せません♡

ゴロッと落ちそうな大きなイチゴ!てんちゃんのマークもほっこりさせてくれます♡


お店の奥がカフェスペースで静かなので、ゆっくり休憩したい方にもお勧め。
沿道に面したテラススペースはペットも同伴OKです♪

お店の奥のカフェスペース。


今回は、しっとりでもっちもちのパンケーキセットをお勧めのイチゴで注文。
カフェスペースでいただきました。
旬の果物を使っているので、時期によって果物が変わるのも何度も通ってしまう理由の一つ♪
大粒で、ソースや生クリームに負けないしっかりした甘さのイチゴと、パンケーキの相性は抜群!
アイスは牛乳アイスでサッパリしていて、こちらも美味しい♡

実はこちら、食べ歩きもできちゃうんですよ♡


パンケーキに合わせて頼んだコーヒーは、ここだけのオリジナルブレンド♪
世界中から厳選した4~5種類の豆を特徴に合わせて、1種類ずつじっくりと焙煎(すっ、凄いこだわり!)お店で豆を挽いて提供してくれます。
あまりブラックを飲まない、カフェラテ派の私でも大満足の、柔らかくて少しだけ酸味がある味わい。
家でも飲んでみたくなります。

オリジナルコーヒーも購入できます♪

お土産にもちょうどいいサイズの寒天スイーツ♪

店内には自社製品の他、「島根のいいもん♡」を取り揃えたお土産ブースも。
大人気の奥出雲ワインや、神様が出雲大社で縁結びの後に直会(なおらい)をする万九千神社で神等去出の神事に用いられる、梅の枝を供出する梅林で育まれた梅を使用した「からさでの梅酒」もあります。ワンカップタイプには梅の実も入っています♪

他にもおすすめの地酒が置いてあります♪


いづも寒天工房には、自社の人気商品で宝石のような「琥珀(こはく)」や、色んな味と色が楽しめる「さいころ寒天」「彩星」、はじめに紹介した、島根の特色のある素材と寒天を炊き合わせてフニフニもっちりぷるんとした食感の「ふるじゅれ島根のめぐみ」など、寒天のお菓子といっても色んな種類があります。

実は試食もできるんですよ♪
色によって味が違う、楽しい「さいころ寒天」♡
星の形が愛らしい彩星もお勧め♡


可愛いお菓子は、家でもソーダに入れてみたり、パフェの飾りにしたりと楽しませてくれました。

一粒一粒楽しめます♪


ご縁を結ぶ出雲大社でおすすめなのは、あまおう苺と赤りんごの果汁入りゼリーをギュッと結んだ「紅白縁結びかん」と、巨峰と瀬戸内レモンの「金紫縁結びかん」。
出雲の縁結びにちなんでひとつひとつ結われていて、色んな旅立ちの場面を寿ぎ祝うお菓子としてピッタリのお菓子。私はお祝いの贈り物にプラスαで添えたり、受験生へおやつとしてプレゼントしたり。

お店で結びかんを見た女性3人組のお客様が「これ!めっちゃ可愛い!」と言っていたので、女子ウケ抜群です♪

紅白・金紫の2種類あります。


出雲大社らしいお菓子なら、もなかをチョコレートでコーティングして、中にさいころ寒天を閉じ込めた「縁結び菓子 チョコもな」もお勧め。


パリッともなかのなかに可愛いさいころ寒天が♡
店頭に並べば、すぐに売り切れてしまう人気商品とのこと。

コロッとした可愛いお菓子♡

旅行に行ってあの人に…この人に…とお土産を買うと結構お値段が気になっちゃいますが、リーズナブルな値段で、かさ張らず買えるのも良いところ♪

駅が近いので、待ち時間が少しあれば買い物に寄れちゃうのもお勧めのポイントです。

ちょっと寄り道、レトロなデハニを体験♪

いづも寒天工房さんから1分かからず行ける、お勧めの場所もご紹介。

一畑電車の出雲大社前駅横の縁結びスクエアを奥に進むと、一畑電車を利用しなくても初代車両のデハニを見ることができます。ちゃんと中まで入れるので写真を撮るのにもいいですよ♪

レトロな車内は床も木製で、ノスタルジックな気分に浸れます。

写真映え間違いなしの車内


運転席の先には線路もあるので、今にも動き出しそう!
運転席に座れば、車掌気分を味わえますよ♪
個人的には、晴れた日より曇りや雨の日のほうがレトロな雰囲気が増すような気がして、お気に入りです。


長い歴史の中で、今また注目を集める出雲大社の「神門通り」。
新しいお店を探すのも好きですが、いつ訪れても優しく迎えてくれて心からホッとできる場所「いづも寒天工房」さん。
地元の人からもずっと愛され続けている、老舗「津山屋製菓」さんの懐かしくも新しい素敵なお店をご紹介しました。

いづも寒天工房
住所
島根県出雲市大社町杵築南1364−11
営業時間
平日11:00~16:00 土日10:00~16:00
定休日
水曜日、木曜日(祝日などの詳細は、Instagramをご確認ください)
電話番号
0853-53-5377
公式サイト
http://izumokantenkobo.com/
駐車場
なし
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。


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izumo_ne_san
izumo_ne_san
島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪
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島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪