奥大山の地酒を醸す「 大岩酒造本店 」
奥大山の恵みが詰まった日野郡江府町
鳥取県日野郡江府町、西部の中心街である米子市まで30分という立地でありながら、大山の懐にあり、奥大山とも呼ばれている人口3,000人の小さな町です。
その豊かな大山の恵みは、日本最大規模のブナの原生林や良質な天然水が育まれ、静かな田園風景や美しい川の流れを生み出し、日本海へ流れ込む豊かな海の源泉となっています。
大手飲料メーカーのミネラルウォーターも生産されているところというと、ご存じの方も多いかと思います。
日野郡唯一の酒蔵「 大岩酒造本店 」
日野郡唯一の酒蔵である大岩酒造本店は江府町のレトロな街並みが残る「 江尾 」という場所にあります。江府町の中心地でかつては江美城というお城もあったそう。JR江尾駅からも近いので、駅から歩いて街並みを楽しみながら向かうのも良いと思います。
美しい日野川とJR伯備線に挟まれた国道181号線を南へ進み江尾交差点から482号線へ入ったこの一帯は、米子と美作(現在の岡山県や兵庫県の一部)を結ぶ水陸交通上の要地であり、かつては城下町の宿場でした。この場所に飛騨の木地師(お椀やお盆を作る職人)が良質な漆を求めて移り住み、商人となったことで交易の場となり、町に米が豊富に集まり、酒蔵を立ち上げたのが大岩酒造本店のルーツ。
初代当主が明治10年(1877年)に創業。現在は5代目の大岩一彦さんが杜氏を務めています。
日野従来という道を通り、レトロな消火栓が目印のT字路へ入ります。
緩やかな坂を山から流れてくる水の音を聞きながら歩いていくと
大正時代と昭和40年に建てられた酒蔵があり、通りからは昭和に建てられた部分が目立ちます。
今も色濃く残る当時の趣、窓の格子とかレトロ好きにはたまらない…♡
格子の内側3階の一番奥には酒母室や検査室があり、仕込みが始まるまでは搾り袋を干したりしているそう。
大岩酒造本店は、約80石(はちじっこく)というちいさな造りの酒蔵。
1石が一升瓶で100本分と聞くとイメージが湧きやすいかな?
また、そのほとんどが地元で消費されるため、鳥取県内でも取り扱いのある酒販店が少ないので、奥大山へお出かけの際は忘れずにチェックしてほしい日本酒です。
「 この土地の水と米で醸すのが地酒 」と、使う酒米はすべて日野郡産、仕込み水は蔵から一時間かけてブナ林に囲まれている大山の標高800メートル付近から湧き出ている水を採取しています。
仕込み水自体がとても美味しい水、さらに大山の麓で作られた酒米を使っているとなると、日本酒への期待も上がります。
大岩酒造本店の新酒の仕込みは1月からということもあり、お邪魔をした12月初旬は蔵は一番お酒が少ない時期。そしてお邪魔した当日はイベントがあり忙しくされていた時だったのですが、ご親切に対応していただきました。
HPでは土日も営業となっていますが、不定休でもあるのでお問い合わせの上お出かけください。
もしお店が閉まっていても、近くの「道の駅 奥大山」で購入できますのでご安心ください♪
奥大山の地酒を呑み比べ♪
今回購入した日本酒は「純米原酒 岩泉 生酛」。
原酒は加水をしないのでアルコール分が高めですが、軟水の仕込み水のおかげでソフトな口当たり。
生酛仕込みということもあり、熟成したような濃厚な味わいも特徴。
炭酸で割ったり、奥大山の水で加水するのもおすすめなんだとか。
燗酒にするときには少しだけ加水すると飲みやすいかもしれません。
「純米酒」
アルコール分15度と低めで柔らかい口当たりながらも米の味を強く感じます。
冬になると飲みたくなるのが「にごり酒」。
にごり酒は若干甘味が強くなるのでついつい飲みすぎてしまいますが、こちらは裏のラベルにアルコール分19度とラベルには表示がありますが、実際はもう少し高めの19.7度。
お腹に入った後にグッと酔いが回ってきますので、飲むペースに気を付けてください。
お土産や飲み比べをしてみたい方にはこちらのミニボトルの飲み比べセットもお勧めです♡
純米原酒 生酛、純米酒、純米吟醸の3本セットの他に、
にごり酒や代表銘柄の奥大山の雫なども加わった6本セットもあるそう。
3本セットはよく見ますが、一つの酒蔵の6本セットは珍しいので、次は6本セットで飲み比べがしてみたいなと思います。
日本酒好きにはたまらない日本酒スイーツも♪
お勧めは日本酒だけではなく、道の駅で売られている日本酒を使ったお菓子。
お饅頭やロールケーキ、ラスクなど、好みに合わせて選べます。
もちろんお茶やコーヒーなどと組み合わせるのも好きですが、是非日本酒と合わせて楽しんでもらいたい♪
まずは「純米原酒 岩泉 生酛×酒まんじゅう」。
酒まんじゅうはその香りほど食べたときの日本酒感は強くありません、こし餡の甘味と生酛の熟成感がよく合います。
酒粕を使った「 酒香るロールケーキ 」はスポンジが厚く甘さ控えめ。
意外にも酒まんじゅうよりも日本酒感強め。
お米の味が濃い純米酒との相性抜群ですが、酒まんじゅうと合わせた生酛純米原酒と合わせるとさらに洋酒のような芳醇な香りが生まれ、また違った味わいが楽しめます。
冬こそにごり酒を楽しんで♪
冬の季節を思わせる、にごり酒はお好きな方も多いかと思います。
よく見るのが瓶の中で澄んだ上澄み部分と白く沈殿して濁った下層部分が分かれている様子。
飲み方としては瓶をゆっくり振って沈殿した澱(米のかけらや酵母などの細かな固形物)と絡めますが、混ぜずに上澄み部分だけを味わってみたりするのも一つの楽しみです。
今回のにごり酒は上澄み部分だけ味わうとヨーグルトを思わせる酸味を感じました。
混ぜるとまろやかさが加わり、にごり酒の醍醐味が味わえるので、もちろん通常の飲み方が一番おすすめではありますが、居酒屋さんではなかなかできない飲み方なので、ご自宅でにごり酒を呑む機会があれば、一度試してみてください♪
江府町にはまだまだご紹介したい場所もあるので、近々また出かけられたらいいなと思います♪
- 住所
- 住所
- 鳥取県日野郡江府町江尾1872
- 営業時間
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 定休日
- 不定休
- 電話番号
- 電話番号
- 0859-75-2404
- 公式サイト
- 公式サイト
- http://syuhou-iwaizumi.jp/
- 駐車場
- 駐車場
- なし