ふるさとの清麗な食菜が心を澄ます「精進料理お食事処 紅葉館」
皆さんは精進料理と聞いてどんなことを想像しますか?
体に良いとか健康的といったポジティブなイメージがある一方で、質素で味が薄く、地味であるといったネガティブなイメージをお持ちではないでしょうか?
今回はそんな固定概念を根底から覆し、彩りと美食の精進料理が食べられる島根県安来市の「紅葉館」をご紹介いたします。
創業は江戸時代末期、清水寺の境内にある相伝の旅館
所在地は安来市にある清水寺の境内、創業は江戸末期とその歴史は古い。
木々に囲まれ、沢が横を流れる階段を上って行き、右手上方に見えてくるのが紅葉館である。たどり着くまでの道のりで気持ちがやすらぎ、心を整えたうえで入店することになるだろう。
透きとおり、且つ、彩りに満ちた逸品の数々
食卓に運ばれてくるのは“洗練された”という言葉がふさわしい姿の料理ばかり。もてなされる側のこちらとしても、丁寧に向き合わなければ失礼である。
精進料理に対して“豪華”だとか、“ごちそう”だなどという言葉は遣ってはいけない気がするが、そう言いたくなるほど見た目に華やかで美しい品々が並んだ。
胡麻豆腐
もみじの葉に生姜が乗せられた胡麻豆腐は、白胡麻、昆布出汁、葛を練り合わせて創られている。胡麻の風味とぷよぷよした弾力が愉しく、次の一口を生姜と一緒に食べることで爽快な口当たりとなる。
精進いか刺し
あ、美味しそうなイカが来た。と思ったらわらび粉で作ったイカもどきのお造り。
山葵を乗せ醤油をつけて頬張る、コリコリとした触感に山葵醤油のほのかな塩味(えんみ)、絞られた柑橘の爽やかな酸味が快い。
当然臭みは無く、頭の中で勝手に想像する“新鮮ないか刺し”の味を形にしたような品だった。
鰻のかば焼きもどき
この鰻の蒲焼は木綿豆腐、長芋、じゃがいも、小麦粉等を使用して創られている。
食べてみると蒲焼の香ばしさもさることながら、この鰻もどきは海苔の上に整形されており、磯由来の香ばしさや風味も見事に乗算されている。
代々練りに練られてここまで昇華させてきたと言わんばかりの“厚み”のようなものが味覚をとおして伝わってくる。
美味しさとは受け継がれる伝承の想いとみつけたり。
姿、香り、食感、味、どれをとっても素晴らしく、並べられた料理はすべて美味しくいただくことができた。
精進料理とは一般に、仏教の戒律を守る修行の料理であり、人の心を“殺生”や“煩悩”から遠ざける為に作られたものというのが定石だが、この紅葉館で出される逸品の数々は公式サイトでも紹介されているとおり「代々受け継がれた調理法に現代の感覚を加え、会席料理と見間違えるばかりの献立で提供」されている。
継承の歴史の中で醸成され、ついぞ創られた唯一無二の品を口にしたとき、舌だけでなく心にまで浸透してくるような、”真の美味”を感じることができた。
旅館としてもぜひ利用したい紅葉館
いかがでしたでしょうか、
今回は伝統を受け継ぎながらも現代の思考を取り入れた華やかな精進料理を堪能できる「精進料理お食事処 紅葉館」をご紹介いたしました。
紅葉館は旅館ですのでもちろん宿泊することもできます。
夜間は清水寺の三重塔がライトアップされ、昼間とは違った雰囲気を感じることができますので、ぜひ行ってみてください。
- 住所
- 住所
- 島根県安来市清水町528
- 営業時間
- 営業時間
- 食事11:30~14:00(料理のランクによっては予約が必要)
- 定休日
- 定休日
- 不定休
- 電話番号
- 電話番号
- 0854-22-2530
- 公式サイト
- 公式サイト
- https://www.kouyoukan.co.jp/index.html
- 駐車場
- 駐車場
- あり(たくさん)