山陰まんなか観光局

ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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そば粉でつくる創作スイーツ。蕎麦屋の中の喫茶「ききょうCafe」

以前、米子市にある蕎麦店「出雲そば鹿幸」をご紹介しましたが、蕎麦の種類はもちろん、温かいものや冷たいもの、色々な食材と組み合せたものなど、その豊富なバリエーションに驚きました。

今回はその続編といっても良いかもしれません。
蕎麦を「料理」としてだけではなく、「スイーツ」で楽しむのはいかがでしょうか?

まさに“蕎麦”の魅力は無限大です。
素敵なお店を見つけてきましたので早速ご紹介しますね。

どうか最後までお付き合いください。

私が訪れたのは、伯耆町にある蕎麦店「蕎麦処桔梗」内にこの春オープンした喫茶「ききょうCafe」
蕎麦粉を使ったガレットとスイーツのお店です。

店舗の前に広がるのは、自然石と緑の調和が美しい手入れの行き届いたお庭。

玄関を開けると、昔懐かしい土間の玄関が迎えてくれます。

上の階の床梁をむき出しにした「魅せる」天井、使い込まれた古民具や木製の格子戸、伝統的な日本家屋独特の味わいを残し、リノベーションされた店内はどこか懐かしささえも感じます。

ちょうど囲炉裏の席が空いていたので、こちらを選びました。
囲炉裏を囲んでスイーツを食べるのもなんだかワクワクします。裏庭の眺めも良くて、ここはまさに特等席かもしれません。

ききょうCafeのメニューは、「蕎麦ガレットセット」「蕎麦粉デザートセット」の2種類。
種類は少ないですが、内容は日替わりです。

私たちは「蕎麦粉デザートセット」をお願いしました。
ガレットもデザートも、どちらにもフリードリンクが付いています。

ウォーターピッチャーに入っている飲み物は、レモンやハーブ、イチゴ、ブルーベリーが入ったフレーバーウォーター。
フルーツを水に入れてしばらく浸しておくと、栄養成分が水に溶け出し、これを飲むだけでビタミンやミネラル、酵素などを摂取することができる、別名「デトックスウォーター」とも呼ばれるドリンクなのだそう。

フリードリンクはフレーバーウォーターの他にコーヒーや紅茶、自家焙煎のそば茶もあります。

そしてこちらが「蕎麦粉デザートセット」。
蕎麦粉は大山産の蕎麦粉が使われています。

向かって左から、
〇そば湯で作った紅茶のムース
〇そば粉のアップサイドダウンケーキ(梨入り)
〇そばクランチチョコ
〇パリパリそばとアイスクリームとそばの葛餅
〇そば豆腐

そば粉のアップサイドダウンケーキ

お菓子作りが好きな人はご存知かもしれませんが、「アップサイドダウンケーキ」は私は初めて聞く名前のケーキだったので、早速調べました。
この名前の由来は、ケーキ作りの最終工程にあるようですよ。
フルーツを型の底に敷き詰め、その上にケーキの生地を流して焼き上げるのですが、最後にくるっとひっくり返し、フルーツ側を上に向けることから、「ひっくり返った=アップサイドダウン」の名前が付いたといわれているそう。

ほろほろとした食感の生地に、優しい甘さの梨のコンポート。
生クリームとブルーベリーソースが、ケーキの美味しさをいっそう引き立たせています。

左上のスイーツは、そばをパリパリにして、バニラアイスをトッピングしたもの。
一風ユニークとも思える組み合わせですが、食べてみると全く違和感がありません。まさに新食感ともいえるスイーツです。
緑色のものが添えられていますが、これは蕎麦湯と抹茶を固めた葛餅。甘いものが苦手な人にも是非食べてみて欲しい、自然で優しい甘さです。

手前にある「そばクランチチョコ」は、ホワイトチョコの甘さとベリーの甘酸っぱさが、しっかりと感じられます。

チョコの横にある「そば豆腐」は、蕎麦粉と豆乳を練って作ったものだそう。
スプーンを入れてゆっくりとすくい上げると、豆腐が切れずに丸ごと持ち上がるほどの弾力。ごま豆腐のようにもっちりして、きな粉と黒蜜が良いアクセントになっています。

蕎麦粉は、タンパク質や食物繊維、ビタミンB群やミネラルがバランス良く含まれていて、栄養価が豊富な面でも知られていますが、このスイーツなら健康が気になる人も安心して食べられますね。

蕎麦粉を使った食べ物には、蕎麦掻きや蕎麦団子がありますが、ほとんどがざるそばかけそばなどといった、そば切り(麺)で食べられているので、それをスイーツに使うのは山陰ではまだ珍しいのではないでしょうか。

店主さんにお話を伺いました

蕎麦屋の中で喫茶を始めたきっかけを「ききょうCafe」の店主、梅林さんに伺いました。

ききょうCafeのある「蕎麦処桔梗」の店主は梅林さんのお母様で、蕎麦を打っているのは、以前、米子市旗ケ崎で営業していた「そば処ひだか」で店主をしていた樋口さん。
そば処ひだかは息子さんに代替わりをして樋口さんは代表を退き、そば処桔梗で蕎麦打ちに専念なさっています。
梅林さんはこれまで日曜日のみお店を手伝っていましたが、お母様が年齢とともに体力的に仕事が難しくなってきたため、今年の4月から平日も手伝いをするようになりました。

「喫茶をオープンした経緯は、当店の蕎麦湯から始まりました。蕎麦湯はそばを茹でたときの茹で汁ですが、当店の蕎麦湯は、穀物独特の風味と甘味がとても美味しいのです。
この甘みを活かし、お汁粉にしてみてはどうだろう……。そんな思いつきから、蕎麦粉を使った甘味の探求が始まりました。」と、梅林さんは話します。

蕎麦処桔梗でも、甘味は蕎麦粉のシフォンケーキがメニューにありますが、シフォンケーキだけでなく他にも色々な甘味がある方が楽しいだろうし、お客様も喜んでくれるのではと梅林さんは思いを巡らせます。

「蕎麦粉の魅力を蕎麦以外にもっと皆さんに知って欲しい。」
そんな気持ちから喫茶営業を始めたそう。

「試行錯誤で取り組んでおりますので、なかなか満足のいく商品ができず悩む事も多い日々です。そんな中ですから、お客様から『驚き』と『笑顔』を頂戴できた日には、本当に幸せなひと時となります。
今後とも日々探求が続きますが、ご来店頂いたお客様から一人でも多くの笑顔を頂戴できるよう、精進して参ります。」

すてきなお言葉をいただきました。

蕎麦処桔梗の蕎麦もいただきました

ききょうCafeの営業時間は13時から。
それまでのランチタイムは、蕎麦処桔梗が営業しています。
今回取材したのはききょうCafeですが、蕎麦処桔梗のお蕎麦もいただいたのでこちらもご紹介します。

私がいただいたのは「五宝(ごほう)割子」
割子蕎麦四段に山芋・玉子・なめこおろし・天かすがそれぞれのっています。
仕切りのある角皿には3種類の前菜。天ぷらに茶碗蒸し、お吸い物も付いています。

自家栽培・自家製粉で丁寧に挽いた蕎麦粉と、平成の名水百選にも選ばれた「地蔵滝の泉」の湧水を使い、少しだけつなぎを入れたほぼ十割の手打ち蕎麦。一般的な十割に比べると喉越しが良いお蕎麦です。

特に印象に残ったのはこちら。2種類のきのこが入ったお吸い物。
出汁の旨味が五臓六腑にしみわたるよう!友達もお吸い物の美味しさに驚いていました。

そしてこちらは友達が選んだ「蕎麦定食(ザル)」
天ぷらに前菜、茶碗蒸し、お吸い物と炊き込みご飯がついています。

取材を終え、笑顔で梅林さんとお別れして家路についた私ですが、
ふと、梅林さんの「当店の蕎麦湯は、穀物独特の風味と甘味がとても美味しいのです。」
この言葉が再び私の中によみがえってきました。

そういえば今日、蕎麦湯飲んでいない……。
梅林さんに後日蕎麦湯について質問したところ、「お出しするのを忘れていた」との事でした(笑)。

これは是非とも蕎麦湯をいただきに、またお店へ行かないと……!

ききょうCafe
住所
鳥取県西伯郡伯耆町小林226「蕎麦処 桔梗」内
営業時間
13時〜16時(Lo.15:30) ※日曜祝日要予約
定休日
水曜日
電話番号
080-4551-0640
公式サイト
https://www.instagram.com/kikyoucafe/
駐車場
あり
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。

uta.0102
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山陰の魅力を食を通じて伝えていきたい。 ほんの少し笑いの小ネタも添えて(・Θ・)
uta.0102
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