山陰まんなか観光局

ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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たくさんの魚をじっくり観察「海とくらしの史料館」

魚って美味しいですよね。
お刺身、煮つけ、焼き魚、お寿司など特に舌で楽しむことが多い魚ですが、たまにはじっくりとディテールを観察するのはいかがでしょうか?
というわけで今回は、魚のはく製が多数展示してある、鳥取県境港市の「海とくらしの史料館」をご紹介いたします。

酒蔵を改修して史料館に

海とくらしの史料館は明治時代に建てられた酒蔵を改修し、平成6年(1994)にオープンしました。
主な展示は魚のはく製で、その数はなんと4,000体。まさに「水のない水族館」とも呼べます。その他にも漁業や郷土の史料、酒蔵時代の備品等も展示されており、見どころの多い施設です。

旧来の雰囲気を残した史料館建物。
入館料はかなりリーズナブルなので、気軽にふらっと入れる。

独特な手法で作成されたはく製たち

ここに展示してあるはく製は、肉や骨をすべて取り出し、薬品処理や特別な樹脂を吹き付ける手法で作成されているので、口の中を覗くと体内はポッカリとした空洞となっています。
まるで水から揚げられた直後のようなツヤツヤの質感が特徴で、作成から数十年の歳月が経っているものでも、劣化が少なく綺麗な状態が保たれています。

入館後すぐ目に入るサメのはく製。
中を覗くと空洞になっている。
大物のマグロ。何十年も前の物だが、魚のにおいが残っている。

水族館では見られないディテール

水族館では泳いでいる魚の姿を楽しむことができますが、ここではすべての魚が静止した状態で展示されています。色々な視点から観察できるので、歯の形状やうろこ、肌の質感といった水族館ではまじまじと見ることのできない、魚ごとの特徴を楽しむことができます。
その中でも特に驚いたのが歯の形状で、鋭くとがった歯を持つ魚や、エサをすり潰して食べる特徴を持った魚の歯を超至近距離で観察でき、その魚が普段どのような食事をしているのかがわかりました。

いかにも、といった短剣型の歯を持つホホシロサメ。噛まれたら痛そうだ。
歯が鋭くないウバザメ。食料はプランクトンで、海水からエラで濾し取って食べる。
シノノメサカタザメ。分類としてはエイの一種で、甲殻類を砕いて食べる。

魚や甲殻類などの多種多様な展示

海とくらしの史料館では普段の食卓に出てくる魚から深海魚、サメ、甲殻類に至るまで多種に渡る展示があります。スーパーやお寿司屋さんで切った状態でしか見たことのない魚が、実はけっこう可愛かったり、逆に禍々しい姿をしていたりと、新たな発見がたくさんありました。

特にカニについては食べる機会のあるカニの他に、とても多くの種類のカニが存在していて非常に興味深かったです。大きさ、色、ハサミの形状といった種類ごとの特徴の観察が楽しく、何分も見入ってしまいました。

多種多様な魚たち。
深海魚も多く展示している。
甲殻類も多数展示。
クジラの一部。わずかな部位だけでも、クジラのスケールの大きさがわかる。
カニコレクションをご覧ください。
山陰の冬の食卓によく載っているベニズワイガニ。今からシーズンが待ち遠しい。

ギミックを凝らしたユニークな展示

ただ見て楽しむだけでなく、展示の中にはクイズのコーナーや、金属製のメタルフィッシュ、水深ごとに生息する魚が一目でわかる「垂直分布」を表した物もあります。
魚の名前の書いてあるボタンを押すと該当の魚のランプが灯る展示は、名前は知っているけどどんな姿かわからない魚や、名前すら聞いたことが無ければ姿形もわからない魚のことを知る事ができ、楽しく学ぶことができました。

ボタンを押すとランプが点灯。
垂直分布の展示。海はとてつもなく深い。
とてもアーティスティックなメタルフィッシュの展示。

漁業の道具や資料の展示、企画展も開催

魚たちのことだけでなく、漁業にまつわる展示もありました。
実物の漁船とその部品が展示してあり、漁船には実際に乗り込むことができるので、漁師さんがどのように船で海に出ていたのかを体感することができます。船は思ったよりも小型で、こんな木造の船で荒波の日本海に出ていたのかと思うと少し怖くなりました。

2階には数世紀前の絵師が模写した魚の絵の展示や、郷土の資料の展示などがあり、見どころが沢山ありました。
また、期間限定で企画展も開催されているので、2回3回と足を運びたくなります。

漁船に乗り込んだ時、私に漁師は向いていないと私の本能が言った。
灯台で使用していたレンズ。「フレネルレンズ」というそうだ。
船のスクリューには、海水に強くて貝等が付着しにくい銅合金が使われる。
100年以上前に書かれた魚の絵。
郷土の史料展示もある。

海の深さと広さを知る史料館

いかがでしたでしょうか?今回は境港の「海とくらしの史料館」をご紹介いたしました。
動かないはく製を通じて、魚の極細部に至るまでをまじまじと観察ができ、水族館ではできない体験ができました。またその数も700種4000体ということで、知っている魚から今まで一度も聞いたことのない、見たことのない魚も沢山ありました。

小さな史料館から海の広さと深さ、壮大なロマンを知る事ができますので、ぜひ行ってみてください。

マンボウのはく製は存在感バツグン。
映え(?)スポット、ハリセンボン通り。
海とくらしの史料館
住所
鳥取県境港市花町8−1
営業時間
9:30〜17:00(受付は16:30まで)
定休日
火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月3日
電話番号
0859-44-2000
公式サイト
http://umikura.com/
駐車場
あり(13台)
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
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y.takayuki0607
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伝統的な文化、歴史的建造物、星空や夜景撮影が好きで夜を中心に活動しております。 山陰の魅力を写真とキャプションで発信していこうと思います。 よろしくお願いいたします。
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