東洋一の登れる灯台「出雲日御碕灯台」
海上を行く船舶への航路標識としての役割を果たしている灯台ですが、山陰には“登れる灯台”がある事をご存知でしょうか?
今回は、日本海の荒波が打ち寄せる島根半島の西端にあり、120年以上前からその周辺海域の安全を守っている島根県出雲市大社町日御碕の「出雲日御碕灯台」をご紹介します。
出雲を代表する観光スポット
出雲日御碕灯台周辺には、行列が出来る海鮮丼のお店や、カフェ、昔ながらのお土産屋さん等が立ち並び、最近では全国的に有名な宿泊施設や、グランピング施設ができるなどリゾート地としても盛り上がりを見せています。
昔から続くお店や民家の存在感、人がいなくなり朽ちかけた建物のもの寂しさ、新しく出来た店舗や宿泊施設の活力により、色々な感情が湧いてくるエリアです。
竣工は明治36年
出雲日御碕灯台は外国との貿易が活発化したことに伴って建造され、明治36年(1903年)に点灯を開始した石造の灯台で、白色のスラッと真っ直ぐに伸びた美しい外観が特徴です。高い建造技術によって建てられており、2022年に国の重要文化財に指定されています。
また、隣接の建物には「灯台資料展示室」があり、灯台の歴史や仕組み等、様々な事を学ぶことができます。
最後はほぼ直角!163段の螺旋階段を登る
さて、いよいよ灯台に登っていきますが、待ち構えるのは急傾斜の螺旋階段。幅も狭くすれ違いが不可能です。降りる人優先となっており、何箇所かある踊り場で合図を出し合い、道を譲り譲られながら登っていきます。
途中には灯台内側のレンガ構造がわかるようにスケルトンになっている箇所があったり、竣工当時からの備品やフォトコンテストで受賞した写真が展示してあり、それらを見ながらゆっくりと登ることができます。
ほぼ垂直、最後の階段
老若男女、その場に偶然居合わせた人との不思議な一体感と共に登っていき、狭く急な階段にも慣れてきた頃、最後にやってくるのは泣く子ももっと泣くほどの、ほぼ垂直の階段です。
思わずハシゴか、とつぶやいてしまうほどの角度の階段に、登るのを躊躇する人もいましたが、最上部まであと一息と、果敢に挑んでいきます。
本当に急な角度ですので、小さなお子様を連れて行く際は要注意です。
断崖の絶景
やっとの思いで登りきると待っているのは、直下の断崖のゴツゴツした岩肌から遥か遠くの水平線まで見渡せる絶景のパノラマです。この日は天気が良く波も穏やかで、爽やかな空と日本海の鮮やかなブルーに心を癒されました。
しかしながら、地上から40メートルほどの高さに位置する狭い展望バルコニーは、とても風が強く体はほぼ空中にむき出し状態、心許ないスカスカな手すりにしがみ付いていないと吹き飛ばされそうです。
ふと下の方を見てみるとサスペンスドラマのクライマックスに出てきそうな崖の景色!その気になれば手すりを乗り越えて落ちていけるだけに、変な想像をして足がすくんでしまいました。
帰りも気を付けながら降りていく
絶景を堪能したら来た道を引き返し、下に降りていきます。ほぼ垂直の階段は上から見てもやはりハシゴのようで、後ろ向きにゆっくりと一歩一歩踏みしめながら降りる必要があります。
地上に降り立ち一安心した後、外に出て改めて灯台や周辺の景色を見てみると、青空と海の青い世界にスラリとスマートな白い石造の外観がよく映えていました。
東洋一と謳われた灯台
いかがでしたでしょうか?今回は「出雲日御碕灯台」をご紹介いたしました。
明治36年(1903年)に完成して以来、今でも現役の灯台として活躍しており、強風が吹き乱れ、荒波が押し寄せる日本海の断崖にそびえる姿は正に威風堂々と形容できます。
平成10年(1998年)に『世界各国の歴史的に特に重要な灯台100選』に選ばれた後、国の登録文化財となり、現在では国の重要文化財となったこの灯台は、日本で一番背の高い石積みの灯台とのことです。
全国で16箇所ある登れる灯台の1つ、「出雲日御碕灯台」にぜひ行ってみてください。
- 住所
- 住所
- 島根県出雲市大社町日御碕1478
- 営業時間
- 営業時間
- 3月~9月(平日)9:00~16:30 (土日等)9:00~17:00/10月~2月 9:00~16:30 ※参観終了時刻の20分前までに入場すること。
- 電話番号
- 電話番号
- 0853-54-5341
- 公式サイト
- 公式サイト
- https://www.izumo-kankou.gr.jp/677
- 駐車場
- 駐車場
- あり(200台程度)