3年連続「ビブグルマン」に選ばれたフレンチ店が江府町へ!
4月のとある日、私のInstagramに届いた1通のDM。
それは日野郡江府町にある「奥大山の水洗い珈琲」の店主、遠藤さんからのものでした。
「江府町に新しくできた複合施設の中にレストランが開店します。」
東京都渋谷区幡ヶ谷にお店を構えていたフレンチレストランが、この春、江府町へ拠点を移しオープンするそう。
遠藤さんといえばコーヒーに精通しているだけでなく、これまで食品業界に長年従事していた方。
Instagramではお互いをフォローする際、ご挨拶のやり取りをしたくらいでしたが、このような情報をいただけて、これはもう期待しかありません!
2024年4月OPEN!江府町で初の商業複合施設「パレット奥大山」
5月の連休も明け、人出も落ち着いた頃、私は早速お店へ。
訪れたのは日野郡江府町にある「パレット奥大山」という、2024年4月にオープンした施設。
コンビニやコインランドリーも入っている、江府町で初の商業複合施設なんだそうです。
そしてこちらが本日お邪魔するフレンチレストラン「ビストロ ノブ(Bistrot Nobu)」さん。
お店に入ると、窓辺で日向ぼっこをしていた「ミシュランマン」を発見。
さかのぼること約12年前の2011年12月、ビストロ ノブさんは東京・幡ヶ谷にて開店し、「料理のコスパが良く、満足感が得られるお店」として、ミシュランガイドの「ビブグルマン」に3年連続で選ばれたこともあるお店なんです。
お店の中はカジュアルで1人でも入りやすい雰囲気。
一角にはたくさんのお祝いの花が!
多くの方に愛され歓迎されているのが、このお花の数だけでもわかります。
ちなみにこの写真はカフェタイムが終わる頃に撮ったものです。
実は、お昼もカフェタイムも満席だったんですよ。
本日のランチメニューはこちら。
週末は値段が変わりますが、平日だとメインとパン、サラダにスープが付いて1,800円。
フレンチがこの価格で頂けるのはかなりお得です。
せっかくだからと私も友達も、基本のランチに前菜、デザート、飲み物をつけてフルコースで頂くことにしました。
この日のランチフルコース
まずはパンとサラダ。
2種類の大山小麦を使った自家製パンは、噛むたびにほのかに甘味が感じられます。
とても美味しくてついメインが来る前にパンを完食してしまった私達。
絶妙なタイミングで奥様が「パンのお代わりいかがですか?」
もちろん友達も私も「お願いします!」
サラダのドレッシングはフルーティーで酸味が効いています。
スープは「新じゃがのポタージュ」。
スプーンが浅く大きめで最後の一滴まですくいやすいのが良い!
こちらが前菜の「アオリイカのソテーと冷製ラタトゥユ」。
ラタトゥユはトマトの酸味と香草が効いてさっぱりした味。
程よく火を通したアオリイカに、上に乗っているソースは何だろう?わからない!
でも酸味が効いて食欲をかき立てるような味わいです。
そして友達が選んだ前菜は「鶏レバーのムース」。
この日の前菜は2種類から選べました。
付け合わせの野菜の酸味に友達が驚いていましたが、かなりパンチのある味だったみたいです。
そしてメイン。私が選んだのは「大山豚のローストポーク」。
豚肉が驚くほど柔らか~い!
低温調理器で柔らかくされたのかな?と思いましたが、機械は使っておられないそう。
低温で焼く、余熱、再び焼いて、また余熱、これを繰り返されたんだとか。
この手間ひまが味わいにつながっているんですね。
まさにメインにふさわしいお料理でした!
こちらは友達の選んだメイン「スズキのソテー、焦がしバターソース」。
あまりにも美味しそうなので、スズキのソテーとローストポークをお互い少し取り分けて頂きました。
1人も良いけど、友達と訪れるとお互いの料理を味見し合えるのが良いですよね。
この日はデザートが5種類ありました。
メインと同じでデザートも日替わりですが、「マルキーズショコラ」と「クリーム・キャラメル」は定番デザートのようです。
私が選んだのは定番デザートの「クリーム・キャラメル」。
プリンにバニラアイスが添えてあります。どちらも自家製。
プリンは硬すぎず柔らかすぎず、まさに王道プリンといった感じ。
お店が幡ヶ谷にあった頃は「幡ヶ谷プリン」と名付けられていた人気のプリンなんだそう。
こちらに移転したことで、さてプリンの名前は?
はい!「奥大山プリン」に変わりました!
こちらは友達の選んだ「ゴルゴンゾーラのチーズケーキ」。
ゴルゴンゾーラといえば、独特の風味があるイメージですが、全然そんなことはありません。
ティラミスのような食感で、口の中に美味しさがじわじわ広がります。これも美味しい!
なぜこの味が分かるかと不思議ですか?
もちろんデザートもお互い味見し合ったのです♪
奥様のお話だと、ゴルゴンゾーラのチーズケーキはワインにも合うそうですよ。
スイーツと一緒にいただいたのはコーヒー。
深煎りのビターな味わいが料理の締めくくりにぴったりでした。
オーナーシェフと奥様
こちらがオーナーシェフの貝原塚 信彦さんと奥様の二葉さんです。
実は、今日頂いた料理の多くが酸味の効いた味付けだったことが気になっていた私。
それは貝原塚さんが師と仰ぐ、斉須政雄シェフの存在が大きいのだそう。
「フランス料理界のレジェンド」とも呼ばれる斉須シェフは、紫蘇や梅のスープ、野菜のエチュベ(蒸し煮)などに酸味を効かせた調理法を得意としていて、もともと酸味のあるものが好きだった貝原塚さんは「自分もそんな料理を目指したい」と斉須シェフの料理に感銘を受け、そこで修行されたそうです。
「フレンチはバターやクリームを使うから味に抑揚をつけないと飽きられやすい、だから酸味を効かせてさっぱりさせて重くならないように。」
なぜ3年連続で「ビブグルマン」に選ばれたお店が、幡ヶ谷から江府町へ?
お店に入った時に、ミシュランマンが飾られていたのを見つけましたが、なぜ幡ヶ谷から江府町へ?
この疑問には奥様の二葉さんが答えてくださいました。
「ずっと東京にいるのではなく、いずれは主人の実家がある成田か、私の実家がある江府町のどちらかでお店を、と考えていました。ただここ数年、帰省する度に思った以上に高齢化や過疎化が進んでいて、かつてあった田んぼが消えているのを目の当たりにして……。それは彼も同じように感じていたようです。」
自分たちが戻ったところで何か変わるわけではないけれど、食を通して生産者を応援したり、町の活性化につながれば……こう話す二葉さん。
家の田んぼや畑を手伝ったり、両親が元気なうちに色々と教えてもらいたいと、お子さんが中学に進学する前という良いタイミングも重なり、江府町へのUターンを決められました。
お店では二葉さんがホールを担当。パンや主なデザートも二葉さんが作っています。
特にワインに詳しいそうですが、私、下戸なんです。申し訳ありません……!
約12年前に幡ヶ谷でお店を開くまで、人道支援の仕事に従事し、国内外問わず支援が必要なところへ赴き、復興の計画や管理を行っていた二葉さん。
東日本大震災ではご主人の貝原塚さんと共に、炊き出しや飲食店の再開などの復興のお手伝いもされていたそうです。
幡ヶ谷のお店が開店した時期は2011年の12月だから、ちょうど東日本大震災が発生した年の暮れです。
二葉さんはこう言いました。
「被災した方々との交流を通して、自分たちも頑張ろうと思ったんです。だからどうしてもこの年にお店を開きたいと思いました。」
こちらは二葉さん手作りのタルトタタン。
りんごは紅玉を使っているので酸味がとても強いですが、添えられたバニラアイスと食べると、調和のとれた絶妙な味わいに変わります。
フレンチといえば高級なイメージがまず浮かびますが、カジュアルフレンチから高級フレンチまで修行を積んできた貝原塚さんは、リーズナブルな感じでいきたいと思われたそうです。
貝原塚さんの作る料理は酸味がポイントですが、もちろん味付けだけでなく、使う食材にもこだわりが。
できるだけ鮮魚や精肉は地元のものを仕入れ、生クリームや牛乳は、大山のものが使われています。
夏は二葉さんのご実家で育てたブルーベリーを使ったケーキや、自家製フルーツソースを使ったかき氷もデザートメニューに登場する予定だそう。
魅力いっぱいのフレンチレストラン「ビストロ ノブ」。
是非皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか?
- 住所
- 住所
- 鳥取県日野郡江府町大字佐川870
- 営業時間
- 営業時間
- ランチ 11:00〜14:30(L.O. 14:00)、 カフェタイム 14:30〜16:00(L.O. 15:30)、 ディナー(予約制) 17:00〜21:00(L.O. 19:00)
- 定休日
- 定休日
- 日曜終日、月曜ランチタイム
- 電話番号
- 電話番号
- 0859-72-3805
- 公式サイト
- 公式サイト
- https://www.instagram.com/bistrotnobu/
- 駐車場
- 駐車場
- あり