
三つの井戸と安産守護の「御井神社(みいじんじゃ)」
1,000社以上の神社が存在する島根県ですが、特に出雲地方には日本最古の書物である古事記に登場する伝説や由緒を持った神社が多く存在します。
今回はその中から、安産祈願の御利益があり、三つの井戸の伝説を持つ島根県出雲市の「御井神社」をご紹介いたします。
大国主命と八上姫の伝説
御井神社は大国主命(オオクニヌシノミコト)とその妻である八上姫(ヤカミヒメ)の子である「木俣神(コノマタカミ)」を祭神としています。
出雲の地まで名前が届くほどの美女とされる八上姫と結ばれるべく、大国主命は因幡の地まで出向きました。その美貌から大人気の八上姫ですが、同じく八上姫を娶らんとする兄弟らの謀略にも負けず、傷ついた白兎を助ける優しさを持つ大国主命に惹かれ、二人は結ばれます。
姫はやがて身籠り、出雲大社の大国主命の所へ向かいましたが、その道中で産気付き、木俣神を産みました。しかし正妻である須世理姫(スセリビメ)を恐れる気持ちから、大国主命には会わずに引き返すことにします。
八上姫は三つの井戸を掘り、お湯で取り上げた御子の穢れを祓う「産湯(うぶゆ)」をさせてから木の俣に預け、因幡へ帰りました。
木俣神の名前はこの事が由来となっています。




安産に御利益
御井神社はその言い伝えから、安産に御利益があるとされています。
「当社を拝み、神秘の神符(ごふ)をいただくにおいては、安産疑いなし。」と謳われ、御井神社の御守りを身に付けておけば安産間違い無しとのことです。
また、安産祈願や子授祈願といった各種ご祈願も受け付けており、多くの参拝者が訪れています。


三つの井戸
御井神社には伝説の通り周辺には三つの井戸があり、それぞれ異なった水神様の力が備わっているとされています。
「生井(いくい)」は母子の生命を司る水神様、
「福井」(さくい)」は母子の幸せを司る水神様、
「綱長井(つながい)」は母子の寿命を司る水神様 となっており、毎年5月に子供たちが井戸の水を汲んで廻るお祭が開かれます。



正遷宮を予定
今回は御井神社をご紹介いたしました。出雲地方にはたくさんの神社があり、その由緒や伝説は面白いものばかりですね。
御井神社では、令和7年に30年ぶりとなる正遷宮が行われます。
遷宮では、境内の社殿等の改修や新築の工事に入りますが、神様を仮殿に移す「仮殿遷座祭」が令和7年3月9日に、同年11月1日に仮殿から本殿に神様を移す「本殿遷座祭」が行われます。
一般向けにどれだけ公開されるかは定かではありませんが、この機会にお参りされてはいかがでしょうか?
- 住所
- 住所
- 島根県出雲市斐川町直江2518
- 電話番号
- 電話番号
- 0853-72-3146
- 公式サイト
- 公式サイト
- https://mii-jinja.jp/
- 駐車場
- 駐車場
- あり