山陰まんなか観光局

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たくさんの神様に会える「佐太神社」

秋になると神々が集まるという出雲地方では、この地特有の呼称である神在月(かみありづき:旧暦10月)に向けて、出雲大社を始めとした様々な神社で神様を迎える準備が始まり、地域全体が活気づいてきます。
出雲地方には古くから存在する神社がたくさんありますが、今回は、社殿が「三殿並立(さんでんへいりつ)」している特徴的な神社、島根県松江市の「佐太神社」をご紹介いたします。

出雲國三大社の一つ

創建時期は1,200年以上前とされる佐太神社の主祭神は、猿田毘古大神(さるたひこのおおかみ)です。出雲國風土記では佐太大神社(さだおおかみのやしろ)と記載され、「出雲國三大社」の一つとして出雲大社、熊野大社と共に称えられています。
最も栄えた時期には神領7000貫(年貢の生産量)・神職は200人以上を有し、年間70回以上の祭禮が行われていたとのことですが、豊臣秀吉が行った太閤検地により領地が減少し、神職も75人ほどとなったとされています。

道路からすぐ見える鳥居が目印。

美しい大社造りが三つ並ぶ

佐太神社の大きな特徴として挙げられるのが、「三殿並立」と呼ばれる三つの本殿が横並びになっている姿です。
すっとした曲線が美しい屋根に、整然と配列された柱と壁によって構成される大社造りの社殿。そんな立派な建造物が三つも並んでいる姿はとても壮観で、他の神社では目にすることはできない珍しいものとなっており、国の重要文化財に指定されています。
また、本殿の他にもユネスコ無形文化遺産であり、9月の御座替祭(ござがえさい)にて執り行われる「佐陀神能(さだしんのう)」を始め、歴史的価値のある建物や物品が多数存在します。

佐陀川にかかる橋を渡り本殿へ向かう。
狛犬。とても雄々しい。
舞殿。ここで佐陀神能が執り行われる。
御朱印、お守りはこちらからどうぞ。
手水舎で手と口を清めます。

たくさんの神様に会える神社

手水舎でお清めを行い、進んで行くと三殿並立の迫力と美しさにしばらく目を奪われます。
神様に対する信仰の深さは人それぞれであれ、一つの建造物として誰もが感動すると思います。
せっかくなので各社殿にはどのような神様が祀られているのか、少しだけ紹介いたします。

まずは真ん中の社殿、こちらを正中殿(せいちゅうでん)と言います。
正中殿には佐太大神(さだのおおかみ)=猿田毘古、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、事解男命(ことさかのをみこと)、速玉之男命(はやたまのをみこと)をお祀りしています。
正中殿に向かって右側を北殿(ほくでん)と言い、天照大神(あまてらすおおかみ)、瓊々杵尊(ににぎのみこと)。
そして正中殿に向かって左側の社を南殿(なんでん)と言い、素盞鳴尊(すさのおのみこと)、4人の非公開の神様を意味する秘説四座(ひせつよんざ)の神々といった複数の神様が祀られています。

少しだけと言いましたが、なんともたくさんの神様に会える素晴らしい神社ですね。

左右対称の美しい社殿、なんというセンスだ!
北殿には、輪っかが二つ重なったような神紋が施されている。
南殿には、亀甲型の神紋が施されている。

三殿それぞれに施された装飾や彫刻

遠目に見ても美しい社殿ですが、近づいて見てみると三殿にはそれぞれにとても見事な装飾が施してあります。金色に輝く御神紋、立派な千木や鰹木、見事な彫刻による模様が華やかで、正面のみならず、どの角度から見ても綺麗な社殿となっております。

正中殿は扇型の神紋。
南殿。内部は通常の大社造りの社殿とは真逆に作られているそう。
柱や梁にも装飾があるので、細部までチェックすべし。
北殿。繊細できちんとしつつも、ダイナミックな大社造り。

神在の社とも呼ばれる

佐太神社は、神々の母である伊弉冉尊(いざなみのみこと)の陵墓を比婆山(ひばやま)から移し祀った社と言われており、社殿裏手の階段を登ると行くことが出来る母儀人基社(はぎのひともとしゃ)にて参拝することができます。
また、旧暦10月は母神である伊弉冉尊を偲んで八百万の神々が集結するとされており、佐太神社ではこの期間で様々な神事が執り行われることから「神在の社(かみありのやしろ)」とも呼ばれています。
出雲地方では旧暦の10月を神在月(かみありづき)と呼び、出雲大社をはじめとする九つの神社で神在祭(かみありさい)が執り行われますが、佐太神社には通常の神在祭とは別に、旧暦の4月に神在裏月祭(かみありうらづきさい)というものがあり、神在祭に来れなかった一部の神様を迎えるべく執り行われています。

母儀人基社へは、南殿側から行けるこの階段を登る。
神々の母、伊弉冉尊を参拝。
小さい狛犬がかわいい。

悪縁を切る!摂社 「田中神社」

佐太神社のすぐ近くにはちょっと珍しい「縁切りの神社」がありますので、こちらも要チェックです。
悪縁を切り、良縁を呼び込む御利益がありますが、決して参拝する順番を間違えてはなりません。
詳しくは「田中神社」に関するこちらの記事をご覧ください。
▶︎ https://ambassador.sanin-mannaka.jp/20220824s/

田中神社へは、佐太神社から歩いてすぐ行ける。

八百万の神々が集う出雲國二ノ宮

いかがでしたでしょうか。今回はたくさんの神様に会える島根県松江市の佐太神社をご紹介いたしました。
出雲地方の神社はどれも深い歴史と由緒に富んでおり、太古の書物や文献、1000年以上も昔から途切れること無く受け継がれる神事、はたまた単なる言い伝えがその神社の大きな魅力となって現在に残っています。
その中でも佐太神社は見どころが特にたくさんある神社ですので、ぜひ行ってみてください。

佐太神社
住所
島根県松江市鹿島町佐陀宮内73
電話番号
0852-82-0668
公式サイト
http://www.sadajinjya.jp/
駐車場
あり(40台)
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。
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y.takayuki0607
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伝統的な文化、歴史的建造物、星空や夜景撮影が好きで夜を中心に活動しております。 山陰の魅力を写真とキャプションで発信していこうと思います。 よろしくお願いいたします。
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