山陰まんなか観光局

ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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無添加の安心を届けたい。松江市西茶町『to loved ones』

料理を作るとき、みなさんはどんなことに気をつけて食材を選びますか。

美味しく仕上げるのはもちろんですが、できることなら身体にやさしいものを選びたいですよね。

特に、家族や友人など大切な人のために作るときは、その気持ちがいっそう強くなるように思います。

今日ご紹介するお店は、そんな「大切な人に食べてもらいたい」という思いを込めて、山陰で獲れた旬の魚や選りすぐりの食材を使ったランチを楽しめる素敵なお店です。

どうぞ最後までお付き合いください。

お店の前に2台分の駐車スペースがあります。満車の際は近隣パーキングをご利用ください。


私が訪れたのは、松江市西茶町にある『to loved ones』。

店主の小松原大志さんが、山陰で獲れた魚介を使って作るからだにやさしいランチや、無添加の水産加工品を手がけるお店です。

入り口の大きな看板には、小松原さんがお子さんと一緒に考えてつくった、魚のイラストのロゴがプリントされています。

「美味しい」「体を大切に」「季節を楽しむ」。
この言葉には、大切な人に食べてもらいたいという思いを込めて、無添加・無化学調味料で、素材の良さを生かした食品をていねいに作り続ける小松原さんの理念が表れています。

白を基調とした清潔感のある店内。内装はほとんどが小松原さんのDIYだそう


この日は開店時間より少し早めに到着したのですが、小松原さんが快く中へ案内してくださいました。

お店の中を撮影していたら、開店してすぐにお客さんが次々と来店され、あっという間に店内は満席になりました。

バンドではベースを担当していた小松原さん。店内からも、その音楽への深い愛情が伝わってきます


お店の一角には、小松原さんが愛用しているベースが置かれていました。若い頃はバンド活動に熱中していたそうで、今でも隙間時間に録音作業をするなど、音楽は変わらず生活の一部なのだそうです。

ふと気になったのが、「休息」と書かれたフレーム。小松原さんに尋ねたところ、これは親しくしている岡山のお店の店主さんが書いてくれたものを頂いたのだそうです。
忙しすぎる毎日の中で、このひと言がズシンと心に沁みてきます。私も、自分の部屋にこのフレームが欲しくなってしまいました。

予約制の「お魚ランチ」をいただきます

今回私たちがいただくのは、予約制の「お魚ランチ」。
内容はおまかせですが、予約の際には苦手な食材を丁寧に確認してくださるので、避けたいものを使わずに用意してもらえます。そんな細やかな心配りからも、小松原さんのおもてなしの気持ちが伝わってきます。

私は「イワシ」と答えたのですが、このあと登場するランチのパスタは、友達と私でしっかり内容が変えてあり、「なるほど!」と思わず納得してしまいました。

予約なしでいただけるフードメニューには、人気のフィッシュ&チップスや、ピタパンを使ったお魚ピタサンドがあります。ただ、この日のように満席になることも多いようなので、ゆっくり食事を楽しみたい方は事前に予約しておくと安心かもしれません。

お茶は、お隣にある明治24年創業の老舗茶舗『加島茶舗』の番茶です。湯気とともにふわりと立ちのぼる、香ばしくやさしい香りが、なんだか心をほっと和ませてくれます。

最初のひと皿は「ふきのとう味噌のパン」。パンは、蒸してから出されました。ふきのとう特有のほろ苦さと味噌のコクが合わさり、和の味わいでありながら、パンとの組み合わせにもまったく違和感がありません。

次は、お店の看板メニューでもある「フィッシュ&チップス」。
イベント出店の際にも販売している人気の一品で、お客様の中には「フィッシュ&チップスのお店」と思っている方もいるほどなのだとか。

実は、ランチとは別にこれを単品で頼もうとしたところ、「ランチの内容にフィッシュ&チップスも含まれていますよ。」と教えてもらいました。本来のフィッシュ&チップスは、魚と野菜のフリットにポテトが付くお料理ですが、ランチではこれだけでお腹いっぱいになりすぎないように、ポテトだけ抜いて出しているそうです。

山陰で獲れたハマチ、そして野菜はカリフラワーと青大根。

フリットの衣には全粒粉と、ミネラル分を残した天然塩を使っています。揚げ油には米油を使っているので、軽くてカラッと仕上がり、食べ終わったあとにももたれません。添えられたソースは、自家製マヨネーズを使ったオリジナルで、これがまたフリットによく合うんです。とても美味しい!

下戸の私でも、思わずビールが欲しくなってしまう一品でした。

ハマチと青大根を使ったパスタはちょっと珍しいかも!?


メインでいただいたのは「ハマチの青しそジェノベーゼ」。

仕上げには一味が軽く振りかけられています。

角切りのハマチは旨みがしっかりしていながら生臭さがなく、さっぱりとした青大根との組み合わせが印象的です。

珍しい取り合わせだなあと感じつつも、食べてみると違和感なし。モチモチとした食感のパスタに、大葉の和風ジェノベーゼと具材がよく絡み、後を引く味わい。

食べ進めていくうちに、「そういえば刺身にも大根のツマがあるし、よく考えたら相性が良いはず!」と自然に納得しました。

食べ終わったあとにふっと残るピリッとした後味まで、きちんと計算された一品のように感じました。

パスタの仕上げに使われた一味は、米子市にある工房兼カフェ mochi(モチ) の「いちんぴ」。一味と陳皮を掛け合わせたもので、3種類の唐辛子をブレンドした、みかんの爽やかさがふわっと香る調味料です。

小松原さんは以前から mochi の商品の大ファンだったそうで、そのご縁から店主さんのご厚意で卸してもらえることになったのだとか。ここで購入することもできるので、気になる方はぜひ手に取ってみてくださいね。

そして友達に提供されたのは「自家製オイルサーディンとじゃが芋のパスタ」です。
オイルサーディンとじゃがいもを合わせたパスタに、仕上げとしてジェノベーゼがあしらわれています。イワシが苦手な私はその皿を見て、「予約のときに苦手な食材を聞かれたのは、このためだったんだ。」と納得しました。

こちらも食べ応えたっぷりの一品です。

お店のドリンクメニューには、自家製のクラフトコーラや赤紫蘇とリンゴのバイスソーダ、文旦と八朔のトニックといったオリジナルドリンクのほか、ハイボールや日本酒、ハートランドなどのアルコール類もそろっています。デザートには、自家製のラムレーズンアイスクリームもありました。

その中で、「もう皆さんご存じの有名なお店の方ですけど、私が尊敬する方のコーヒーも置かせていただいています」と、小松原さんが淹れてくださったのが、『IMAGINE. COFFEE』のグアテマラ。しっかりとしたコクがありながら、後味はすっきりとした一杯です。

食品メーカーに長らく勤めた店主さんにお話を伺いました

店主の小松原 大志さん


店主の小松原さんは、穏やかで控えめで、まっすぐな印象の方です。ランチのお料理にも、その誠実なお人柄がそのまま表れているように感じました。

お店を始める前は、魚の練り物や冷凍食品を扱う食品メーカーに長く勤め、最終的には加工品の開発や研究職を担当されていたそうです。そこで、レシピに多くの添加物が使われている現実に直面し、日本で使用が認められているものの中に、海外では使用が禁止されているものも含まれていることを知ったのだとか。

その経験から少しずつ疑問が湧き、添加物について調べるうちに、世の中の食品には、体に良いものばかりではないことを知ったそうです。日本が“添加物大国”といわれる現状にも、大きな衝撃を受けたのだそうです。

長年、魚に関わる仕事に携わってきたことや、もともと料理が好きだったこともあり、「大切な人に食べてもらいたい気持ちを、他の人にも届けたい」。そんな思いを込めて商品を作りたいと、会社を辞めて自分のお店を持とうと決心されたそうです。

まずは、完全無添加にこだわったしめ鯖や練り物などの加工品づくりからスタート。そんな中、『IMAGINE. COFFEE』の岸本さんに「朝市を始めようとおもうんですけど、出店してもらえませんか。」と声を掛けられたことがきっかけで、お店を始めることがより現実的になりました。

自分の作った商品の魅力を伝えるには、まずお店で食べてもらうことが大切だと感じ、2021年4月、松江市西茶町に『to loved ones』をオープン。加工品の販売に加えて、夏にはイートインを併設し、今では予約制で魚のランチやディナーも楽しめるようになっています。

自家製しめ鯖は、からしまたはマスタードを付けて食べるのがおすすめだそう


魚は季節によって大きさや脂ののりが変わり、同じ魚でも状態はさまざまです。その時々で、「一番おいしく味わってもらえる方法を選びたい。」そんな思いが、小松原さんのこだわりの根底にあります。

その中で、加工品づくりの大きな課題となったのが「生臭さ」でした。

身や皮目の血合いからにじむ血がひとつの原因になることを解決するために、小松原さんがたどり着いたのが「津本式」という血抜き処理です。

津本式は、余分な血が残らないため臭みが抑えられ、身の味わいが澄んで、おいしさが長く保たれるのが特徴なのだそうです。現在、お店で扱うどの魚も、状態や加工方法によって適切に処理しています。

この日、しめ鯖を購入して帰りましたが、生臭さがまったく気にならず、酢のやさしい酸味と鯖の旨みが感じられ、後味まで軽やかでとてもおいしかったです。

店名の由来は……

私はこれまで、取材先のお店で店名の由来をうかがうことが多かったのですが、
『to loved ones』にも、とても深い意味が込められていました。

直訳すると「大切な人へ」。

体に良いものは自分たちだけが摂ればいいのではなく、「自分が吟味したものを、家族や子どもたち、友人、そしてお客様にも同じように味わってほしい。」

その思いと、正直な商品を作り続けたいという小松原さん自身の信念と決意が、この言葉にしっかりと込められています。

いかがでしたか。

穏やかな語り口の奥にある、小松原さんの揺るぎない思いが、私にはとても印象的でした。小松原さんの料理を通して、その“美味しい”を、ぜひ皆さんにも感じ、共感していただけたら嬉しく思います。

小松原さんの熱い思いに触れ、これからも素敵なグルメの情報を発信していきたいと、あらためて思いました。
私の拙い文章では、魅力をすべてお伝えしきれませんが、最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

to loved ones
住所
島根県松江市西茶町25番地
営業時間
11:30~14:00、17:30~20:00(変動する場合があるので、正確な情報はinstagramの営業カレンダーをご確認ください)
定休日
instagramの営業カレンダーをご確認ください
電話番号
0852-67-7985
公式サイト
https://www.instagram.com/to_loved_ones_matsue/
駐車場
あり(2台)
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。

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山陰の魅力を食を通じて伝えていきたい。 ほんの少し笑いの小ネタも添えて(・Θ・)
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