清水寺（きよみずでら）といえば京都を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ですが、実は山陰にもあるんです！
今回は約1400年の歴史があり、かつては松江藩主歴代の祈願所としても栄えた古刹である、島根県安来市の安来清水寺をご紹介いたします。

豊かな自然にたたずむ

安来市の山あいに位置する清水寺は、豊かな緑に包まれた静かな霊場です。
春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の自然が訪れる人を迎えてくれます。
歴史的な建造物である本堂や三重塔までは階段を登って行きますが、苔むした石段や紅葉した木々、脇に流れる小川など、とても癒される道中でした。

落ち着いた雰囲気の境内

階段を登りきると、名物である清水羊羹のお土産屋さんが見えてきます。
精進料理を起源とする羊羹ですが、ここ清水寺の羊羹屋さんは複数軒あり、食感や甘さの加減にそれぞれのお店ごとの特徴がありますので、ぜひ食べ比べをしてみてください。
また清水寺の周辺には華やかで綺麗な精進料理を食べられるお店がいくつかありますので、そちらもお見逃しなく。

鮮やかな鳥居が連続、稲荷社

中央の階段を登っていると、右上の方に赤い鳥居が並んでいるのが見えます。
こちらは稲荷社まで続いているようです。薄暗い中、連続した鳥居をくぐっていると、まるで異世界に迷い込んでしまうかのようでした。
鳥居を抜けた先に稲荷社がありますが、寺でありながらこういったお社があるのは神仏習合の名残なのでしょうか？
この鳥居は鮮やかな赤で写真映えもするので、ちょっとしたフォトスポットにもなっています。

築700年以上、祈祷が行われる本堂

続いて本堂に向かいます。
現在の清水寺の本堂は建立から700年以上の歴史があり、ここでは厄払、家内安全や病気平癒などの祈祷を受ける事ができます。
また、本堂内には尼子十勇士が描かれた絵馬や、国の重要文化財である十一面観世音菩薩が祀られております。

鐘楼でひと突きいかがですか？

本堂の脇を通って進むと鐘が吊るされている鐘楼がありました。
数年前に修復が完了したこの鐘楼ですが、なんと、鐘が突けるようになっているんです。
なんとカジュアルな！と驚き私も200円を納めてボーンと１回突かせて頂きました！

登れる三重塔

鐘楼を離れてしばらく奥に進むと、三重塔が見えてまいります。
この三重塔は地元の大工が３代に渡って仕上げた名建築で、1859年に建立されたとのことです。
木材が幾重にも組まれた構造となっており、龍の装飾も迫力があります。
そしてこの塔、なんと登れるんです！事前予約制の為この日は登れませんでしたが、上から見る景色はさぞ美しいことでしょう。

大山を望む、展望台

清水寺は全部で33の観音さまの石像が各所に鎮座しており、札打ちの霊場としても有名です。
札打ちとは、遺族が故人の戒名を記した紙札を仏像に７日ごとに貼って巡る風習のこと。「故人があの世に行くまでお守りください」という思いを込めて行います。この地に残る風習で、山陰のあちこちのお寺が札打ちの場となっています。

展望台へは三重塔を過ぎてさらに奥に進むと見えてくる遊歩道から行くことができますが、道中でたくさんの観音さまを見ることができます。
15分ほど歩道を進み、展望台へ辿り着くと、眼下の安来から大山まで見渡せるようになっていました。
展望台は桜の木が多く植えられていますので、桜の花が咲く時期に来るとより一層楽しめると思います。

安息のひと時を過ごせるパワースポット

いかがでしたでしょうか？今回は島根県安来市の瑞光山清水寺をご紹介いたしました。
古くからこの地の霊場として存在し、自然に囲まれた境内は、静かで落ち着いた雰囲気ながらも、季節とともにその表情を変え、いつ行っても異なった景色を見せてくれますので、ぜひ行ってみてください。