山陰まんなか観光局

ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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燻製愛から生まれた「燻製レストラン けむり家」

古代では、食材を燻(いぶ)すと長く保存ができることから、主に保存食の調理法として用いられた「燻製」でしたが、今ではベーコンやハムなどのように、パンに挟んだり、パスタやスープに入れたりと、様々な調理法で「味わう」ものへと変わりました。

今回ご紹介するのは、そんな燻製食材を使ったお料理が食べられるお店です。

どうか最後までお付き合いくださいね。


訪れたのは、安来市の自然豊かな集落の一角にある、「燻製レストラン けむり屋」
一見、普通の住宅ですが、犬走りに「けむりや」という立て看板がありますので、これを目印にしてくださいね。


早速中へ入りましょう。

ホールの先には素敵な坪庭も見えます


玄関を開けると、店主の永田さんが「どうぞ靴を脱いでお上がりください。」と迎えてくださいました。

もし店主さんが気づかなかった場合は、下駄箱の上にあるハンドベルを鳴らしてくださいね。


案内されたのは2間続きの和室。座卓と椅子を使うテーブル席があります。


私たちが座卓に座ると、ここにも呼び出しベルが。そして隣にはなぜかオルゴールまで?

永田さんに尋ねると、「音楽を流すと会話が聞き取りにくい。」というお客様の声があり、部屋でラジオやBGMを流していないそうです。
でも、「静まり返ったお店は何となく寂しい……。」そう思われるお客様の為に、自作のオルゴールを置いてみたのだとか。

ネジを回すと、なんだか聴き覚えのあるメロディですが曲名がわからない……。
行かれた方で曲名がわかった方、良かったら教えてくださいね。


メニューはこちらです。

ランチは、Dailyランチ(日替わり)和牛ハッシュドビーフ、そしてスモークサンドプレートの3種類。
予約制で、コース料理やお子様用のランチもあります。

今回ドリンクメニューは掲載していませんが、ソフトドリンクが豊富で、ピンクローズソーダやブルーローズソーダなどオシャレなネーミングの飲み物もありましたよ。

また、テイクアウトメニューも充実しています。

燻製尽くしのランチメニュー


私はDailyランチをいただきました。

この日のメニューは、
・ひらまさの酢締め
・スモークチキンとホタテのテリーヌ
・自家製金山寺味噌(おかず味噌)
・豚トロスモークのワイン煮込み
・自家製の大山豚スモークソーセージ
・キッシュとさつまいものグリル
・豆乳と卵の蒸し物


豚トロスモークのワイン煮込みは、スモークされた豚トロを、オーブンでいったん脂を落としたあと調理しているので、通常の豚トロに比べるとカロリーは控えめ。
じっくり煮込んだ豚トロは口に入れると驚くほど柔らかく、とろけるよう!
ソースはデミグラスソースのように濃厚で、ご飯が進む美味しさ。
燻製のクセが少なく、食べやすいのも印象的でした。

自家製の大山豚スモークソーセージは、バジルやクミンなどの香辛料やハーブを効かせ、噛み締めるほどにスパイスとお肉の味わいが出てくるソーセージです。

キッシュはスモークチキンや大山豚スモークソーセージ、スモークチーズ、そしてマッシュルームと純米酒が入っています。

豚トロスモークにスモークソーセージ、スモークチキンと、ランチでここまで燻製料理を堪能できるとは、なんて贅沢!

さつまいものグリルは、蒸したさつまいもを塩水に浸し、それをフライパンで焼いたあと、さらにオーブンで焼くのだそう。
外は甘じょっぱくて、パリッとした食感。そして中はねっとり!軽くキャラメリゼされた焼き芋を食べているようで、とても美味しかったです。


豆乳と卵を使って蒸したお料理。茶碗蒸しのような、卵豆腐のような、これは説明が難しい……!
上に添えられた、なめこの佃煮と一緒に食べるのですが、これがクセになりそうな美味しさなんですよ。


スモークサンドプレートはこちら。
パンは地元のベーカリーに、大きさや形をオーダーして作ってもらった専用のものだそう。
そして中に挟んでいるのは、和牛のミートローフ(和牛9割、豚トロのスモーク1割)と、大山ハーブ鶏のスモークチキン。具材は日替わりです。


食後にケーキセットをいただきました。セットの飲み物は珈琲か紅茶が選べます。
私が選んだ紅茶は、農薬を使わず育てた紅茶だそう。紅茶も珈琲も、地元のお店から取り寄せています。

ケーキは、安来産のいちごを使った自家製チーズケーキ。断面はほんのりピンク色をしています。しっとりなめらかなチーズの食感に加えて、いちごの甘さと程よい酸味が絶妙!
とても美味しかったです。

季節ごとに、ケーキに使うフルーツも変わりますのでお楽しみに。

店主・永田さんにお話をうかがいました


こちらがけむり屋の店主、永田俊介さんです。

学生時代は調理科を専攻し、調理の基本から応用まで学んだ永田さん。
料理に関心を持つようになったのは、子供の頃に食べられなかったものが、調理や味付けを工夫すれば克服できると知ったことがきっかけだったそう。
「苦手だった食材が美味しい料理に変わり、それがまるで魔法のように感じたのだと思います。」と、永田さんは話します。

卒業後は飲食業界へ就職し、和食や洋食、中華など、料理のジャンルにとらわれず、さまざまなお店で経験を積まれたそうです。

そんな永田さんが自然豊かな北海道に住んでいた頃、偶然見つけたのが富良野にある燻製専門店でした。
住み込みで働きながら燻製作りを学んでいくうちに、食材を燻すと、香りや旨味が各段にアップすることを実感し、その美味しさに魅了された永田さん。

生まれ育った地元・島根へ戻っても燻製愛は冷めることなく、ベーコンやソーセージ作りを続けるために思い切って自宅をリフォーム。レストランも併設し、2024年3月「燻製レストラン けむり家」をオープンしました。


玄関ホールの飾り棚に飾られていた色紙、これは吉本興業所属のお笑いコンビ「かまいたち」の直筆サインでした。
実は永田さん、かまいたちのお二人と共演したことがあるのだそう。

ロケバラエティー番組「かまいたちの掟」の企画で、芸人のお二人が永田さんの指導を受けながら、ジビエソーセージ作りにチェレンジしたのですが、その記念にサインをいただいたのだとか。皆さんこの番組はご覧になりましたか?

2023年6月に放送されましたが、番組の内容を知りたい方は「ジビエを食べて川柳を詠もう」というキーワードで検索してみて下さいね。

写真の商品は鹿肉ソーセージ、猪と豚のソーセージ、和牛ソーセージ、豚のチョリソー、ベーコンです。


燻製に使われるスモークチップ(燻煙材)は、お肉には桜のスモークチップ、お魚にはりんごのスモークチップを使うなど、食材によって変えているそうです。
発色剤や着色料は使っていません。

「食材はできるだけ、地元や山陰のものから選んでいます。」と話す永田さん。
その言葉から、地域に貢献していきたいという想いが伝わってきました。

お店では、他にも地元産の鹿のレバーブルスト(レバーペースト)や鹿肉ソーセージといった、ジビエ料理もいただけます。

実は永田さん、わな猟免許もお持ちだそう!

店内のメニューにもありましたが、ローストビーフやソーセージ、お弁当などはテイクアウトもできます。ソーセージやベーコンは真空パックで包装されているので、お土産としても人気なのだそう。

また、現在は燻製作りやレストラン営業に加えて、料理教室も開催しています。
良かったらチェックしてみてくださいね。

燻製レストラン けむり家
住所
島根県安来市赤江町論田町609
営業時間
 11:00~17:00 17:00~22:00 (17時以降は予約制)
定休日
不定休
電話番号
080-5627-1383
駐車場
あり
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。

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山陰の魅力を食を通じて伝えていきたい。 ほんの少し笑いの小ネタも添えて(・Θ・)
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