山陰まんなか観光局

ココビトの綴り 山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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“心で醸す酒” 稲田本店

創業は江戸時代

米子を代表する酒蔵「稲田本店」さんへお邪魔しました。

創業より幾度かの移転を経て、現在は米子市夜見町に酒造場と店舗があります。

地図では米子水鳥公園や、弓ヶ浜海岸・公園の真ん中辺り、周りには米子工業高専や彦名小学校がある自然豊かな場所に大きな酒蔵がありました。高い建物が少ないので空が開けて見えます。

創業は江戸時代の1673年(延宝元年)。来年は創業350年を迎えます。
あまりに歴史がありすぎてピンとこない方、私もです。

調べてみたら、延宝元年とは徳川家綱が将軍だった時代、あの杉田玄白が解体新書を書いていた時代です!(解体新書が出たのは1674年の延宝2年)
何てこと!

因幡屋の屋号で、酒、醬油製造業として創業してから、元禄中期には屋号を稲田屋に変更し現在の基礎を築き、明治25年には日本におけるビール製造開始と同時期に久米町にビール工場を建設「 イナタビール 」として売り出す(のちに隣家より出火に逢い製造中止となる)。今ではたくさんある地ビールの先駆といえる存在でした。昭和62年に現在の夜見町へ移転し現在に至ります。

少し覗いても教科書に出てきそうな歴史の稲田酒造さん。
主な銘柄は出雲神話にちなむ「稲田姫」と全国初の冷用酒「トップ水雷」ですが、この「トップ水雷」という銘柄は東郷平八郎が蔵元に立ち寄り命名した由緒ある日本酒とのこと。
昔の広告も展示されています。

広い店内は黒を基調としながらも明るい印象。商品が綺麗に陳列され、一つ一つのお酒が分かりやすく紹介されていて選ぶのが楽しくなります。

日本酒に合うおつまみコーナーや稲田本店さんのオリジナルグッズもあります。

それでもこんなに沢山の種類があると迷ってしまいますね。
そんな方にお勧めなのが「試飲」です。

代表銘柄を試飲してみました♪

試飲は6種類、梅酒から純米酒・吟醸・大吟醸があります。

330円で3種類、550円で6種類全部が試飲でき、どちらも試飲に使うお猪口が持ち帰り出来るのが嬉しい♪

はい、もちろん6種類試飲です♪

試飲代をお支払いすると稲田姫にちなんでよいご縁がありますようにと「 酔いご縁 」のお返しが♡
温かいおもてなしに試飲前から酔い気分になってしまいました。

アルコール度数が低いもの→大吟醸→吟醸→吟醸(生原酒)→純米酒→果実酒の順番で試飲。
今回は「 いくす ーIKU’Sー」 がアルコール度数が低かったので一番最初にいただきました。大吟醸のほうがお米を沢山削るので味が繊細になり、逆に純米酒はお米の味わいが出やすい分、舌に残りやすいので大吟醸から先に飲むのが個人的にはお勧めです。

純米大吟醸 いくす ーIKU’S SHIRO ー

試飲をして選んだのはこちら「 純米大吟醸 いくす ーIKU’S SHIROー 」。

一年のうちの一番寒い時期に時間をかけじっくりと造られるこちらの日本酒は
通常「 三段仕込み 」で造られる日本酒とは違いもろみまでの過程を一気に行う「 一段仕込み 」。
通常のお酒よりも麹や酵母をふんだんに使い、低温でじっくり発酵させることで9%という低アルコールの日本酒に仕上げています。

甘さと酸味のバランスが良く、低アルコールということもあり香りを楽しんでいるうちに口に溶け込んで喉にスーッと消えていくような優しい味わいです。
「日本酒」と言われなければ白ブドウ系のリキュールかな?と思ってしまうくらい、不思議な日本酒です。日本酒好きの「日本酒らしくなくて苦手な方もにもおすすめ」はあまり信用されないかもしれませんが、これは信じてください。

完熟梅の純米梅酒「 百花の魁 」

最近は日本酒仕込みの梅酒も主流になってきましたね。
こちらも日本酒で醸した梅酒。
他の日本酒梅酒と少し違うのは、青い梅の実ではなく黄色まで完熟した梅の実を使っていること。
梅の甘さがしっかりと引き出されていますが渋みや酸味が柔らかい梅酒です。
味が濃いのでかき氷のシロップにするのもおすすめだとか♪

名前の由来は梅の花が百ある花の中で一番先に花が咲くことからつけられたとのこと。

夏の純米酒「 稲田姫 」

通常は焼酎に使われることが多い白麹を使用、白麹を使うとクエン酸を多く生成するため柑橘のような爽やかな酸味がうまれ、すっきりと飲みやすく清涼感があります。

暑い夏にしっかり冷やして楽しみたい日本酒です。

人と水と米にこだわった酒造り

「 いくす ーIKU’S SHIROー 」のような新しい日本酒への取り組みにも積極的な稲田本店さん。
HPだけでなくInstagramでも情報を発信しておられます。
「お酒造りとは心が全てである」という先代杜氏の想いを、若き杜氏と蔵人が一丸となって引き継ぐ素敵な酒蔵。
酒蔵見学の受付も再開されたとのことなので興味のある方は是非HPをご確認下さい♪

株式会社稲田本店
住所
鳥取県米子市夜見町325-16
営業時間
蔵元直営ショップ 平日9:00~17:00
定休日
土日祝・変更有(HPをご確認ください)
電話番号
0859-29-1108
公式サイト
http://www.inata.co.jp
駐車場
あり
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。

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izumo_ne_san
izumo_ne_san
島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪
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島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪